式内染鑑の写本発見! at 蓬左文庫

先週の連休は家族旅行。番頭のご両親ほか親戚ご家族たちとみんなで愛知県に一泊二日で行ってきた。

すみません、臨時休業頂きました。ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありませんでしたm(__)m

JRの鉄道館に行ったり知多半島の魚がおいしい旅館に泊まったり師崎の朝市でゴキゲンな干物を買い漁ったりした。

でも、自分としては、今回の旅の最大の目的は徳川美術館。
ここにある安土桃山~江戸中期の陣羽織や能装束を観たかったのだ。

二日目の午後は皆さんにお許しを得て単独行動して、ひとり徳川美術館に向かった。

JR大曾根駅。

ま、別に普通の駅でした。あたりまえか。

で、駅から歩くこと10分ほど。徳川園に着く。

ここは尾張徳川藩主のご隠居屋敷があったところらしい。広い庭園と公園、そしてこの中に美術館がある。

徳川美術館に向かう中庭。きれいだな。

いざ、徳川美術館へ!

ま、あたりまえだけど中は撮影禁止なので全然記録はなし。でも、いいもんたくさんあった。

綴と縦絣を合わせたすんごい緻密で綺麗な能装束がありました。色はもちろんなんだけど、縦絣がグラデーションにしか見えなくて、その技術の高さとセンスの良さにびっくり。すごかった。

他にもいろいろと。

家光が使っていた鷹狩道具の巾着の更紗柄がもう、ええ、リバティやモーリスもびっくりのかわいい花柄だったし、
古田織部自らの織部焼茶碗とか『ひょうげもの』にもでてくる大名物水指「芋頭(いもがしら)」も間近で観ちゃったもんね!

お目当ての一つだった猩々緋の陣羽織は公開中じゃなかった・・。残念。また時期を確認して観にこよっと。

で、満足して美術館でたら、となりになんかこんな建物がひっそりと。

蓬左文庫? え、なんか図書館とか?
立て看板を見ると、家康の時代から着々と集めた古文書を収めた文庫で、昭和10年からなんと一般公開してるとのこと。。。

え?読めるの?江戸時代とかの文書が??

恐る恐る入ってみると(やっぱり撮影禁止なので記録はないけど)、閲覧室なるものが。そこに行くと、普通の小さめな図書館風。清楚な制服来たお姉さんと図書館の課長さんとかにいそうなすんごい物知り風で口下手風なオジサマが席に座ってる。

「あのぉ、ここって、昔の本とか、読めるんですか・・?」
と聞いてみると、

お姉さんが
「あ、ハイ♪。そちらの端末で検索いただいてこちらの閲覧請求書にご記入いただければ結構ですよ。」
と、かるぅく答えてくれる。

え、ほんと? そそくさとパソコンの前に座って、そうだな、まずは延喜式見てみるか・・・。

すると、出てくる出てくる!明治時代に再編さんの「日本国史大系」はもちろん、江戸中期の写本が全巻ある・・・。
す、すごい。。

・・と、その検索結果の下の方に目をやると

「式内染鑑」

え!?まぢですか!!???

式内染鑑(しきだいそめかがみ)
“式”は延喜式のことで、“鑑”とは昔の研究調査報告のこと。
すなわち、延喜式の中の染めに関する記述を研究した文書、といった意味。
これは八代将軍の吉宗が武家の規律を正す改革の一環として製作を命じたものです。氾濫してしまった衣服の色の制度の整理をするため平安時代の有職故実を参考にするのですが、その為には平安時代の染め方を復活させないといけないと吉宗は考えます。すなわちその時代にはすでに平安時代の染め技術は不明だったのです。そのため、当時の染色師に延喜式を参考に上代の染色技術に関する研究とその復元を依頼しました。
その報告書がこの文献なのですが、とてもバックリ要旨を言うと「結局どうやって染めてるのかわからないことが多かったですごめんなさい」という内容になっているようです。

これ、実物読めるのかなぁ。。。。ホントに?
ダメ元で閲覧請求書に書いて、お姉さんに渡しに行く。

「あの、こ、これ、大丈夫ですか・・?(おそるおそる)」

お姉さん
「あ、ハイ♪ 今お持ちしますね。あちらの洗面台でアルコール消毒をしてこちらの席でお待ちください【^^】」

そっか。なるほど、やっぱり消毒とかはしとくんだ。いや、まてよ?ということは、オレが素手でさわっていい、ってことじゃないか!!

お姉さん、課長オジサンに「これ、お願いします♪」と頼むと、課長オジサンが請求書を「ふむふむ」と見ながら奥へ消えた。

全然違うところに古書はあるのね。

待つこと2分くらいだったかなぁ。大きなトレイを両手に課長オジサンが戻ってくる。で、アタシの机にきてにぎにぎしく「どうぞご覧ください。江戸初期の古書と思われますので扱いは丁寧にお願いします。」と古書の載ってるトレイを机に置いた。

オレ「あの、、これ、触っていいですか(馬鹿な質問をした)」

課長「はい。どうぞ。丁寧にお願いしますね。」

みると、表紙にはちゃんと「式内染鑑」とある。あたりまえだな。

めくる。紙が薄い。。やぶけそう。。。緊張がはしる。

うわぁ、すげぇええ、原本(正確には原本の同時代の写本)は色見本があるんだぁあっぁぁ!!

オレが持ってる写しの資料には載ってない染め師のコメントがはいってるじゃんかぁぁっぁぁ!!

わぁぁ、この考察文全然しらなかった!こんなこと書いてあったのかぁぁぁっぁぁ!!

・・・と、ココロの中で大騒ぎしながら、表向きは神妙にページをめくっていく。

ほ、ほしい。この本。無理だけど。

コピーとか、とれない、の、かな。。?

オレ「あのぉ、これ、コピーとか、無理ですかね・・?」

課長オジサン「そうですね。コピーはできません。書籍が痛みますので。写真コピーでしたら依頼を頂ければ承ります。別途お時間と経費が掛かりますが。」

そりゃそうだよな。こんなすごい本、コピー機の前にガガってページ割ってフタでバーンなんて押さえたらだめに決まってるよな。
またバカなことを聞いた。

コピーができないので、課長オジサンに紙と鉛筆をお願いして頂いて(自分でボールペン持ってたんだけどインクが揮発して紙が痛むから使ったらダメなんだって)、読んだことのなかった考察文を書き写し。これがまた達筆でわからないんだなぁ。結構苦労しました。

読める?読めないよね。。オレも読めない(笑)。いや、頑張って読みます。はい。

で、30分ほど式内染鑑を相手に奮闘して、写しも終わって、課長オジサンににぎにぎしく本をお返しして、そろそろ家族たちと合流時間になってきたので後ろ髪をひかれながら蓬左文庫を後にした。

いやぁ、すごいよ、ここ。時間無くて閲覧できなかったけど、他にも原本見たいのがたくさん! 書庫の蔵書データベースはHP上にアップされててネットからだれでも本を探せます。こりゃ調べたい本あらかじめ目を付けておいて、一日仕事でまたいかなきゃだわ。

すごいな、やっぱ、徳川さんって。
ありがとうございました。

急いで名古屋に戻って、少し合流まで時間があったのですかさず地下の居酒屋に入って生ビールセット。

定番の手羽先とどて焼き。今日のスッパラシイ成果に一人乾杯しながら美味しく頂きました。

美術館もよかったけど、蓬左文庫、すごいです。
こんなすごいとこがあるの全然知らんかった。

だめだ、もっと勉強せねば。

と、思った旅でした。まる。

徳川美術館
http://www.tokugawa-art-museum.jp/

蓬左文庫
http://housa.city.nagoya.jp/

手染メ屋http://www.tezomeya.com/

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