オリジナルって・・・ その1

久しぶりのブログです。

先月くらいから話題になって、何やらかなりややこしいことになってるあの問題。そう、東京オリンピックロゴのパクり問題とそこから派生している一連の騒動。
そこで思ったことをつらつらと書いてみようかと思います。
いつもの事ですが、あくまで当方(青木正明)の個人的な意見ですのでご賛同戴く必要など全くありませんし、お気を悪くされたらごめんなさいです。

“クリエイティヴ”とか“ユニーク”と言った言葉で表現される概念が世の中には存在します。そして、こういった言葉で表現されるようなプロダクトとその製作をした主体者がいわゆる“オリジナル”な物と人として認識される。
まずは、このクリエイティヴ、ユニーク、“革新的”、そういった言葉で表現される状態とはどのようなことなのかを考えたいと思います。

手染メ屋の商品で申し訳ないのですが、このアイテムを見てください。

このTシャツ、当方の商品でして『オームの目』という名前の絞り柄Tシャツです。方法ですが、まず茜という染料を使用して赤ピンク系の色のTシャツに染めます。そして、下の画像のように柄位置にすべてフィルムカメラ用のフィルムケース(最近見なくなりましたが)を使って生地を本体とふたで挟んで閉じ、そして藍染めをします。

この商品、ありがたいことに時々「ユニークですね」とおっしゃって頂くことがございます。ありがとうございます。
ですが、このTシャツ、実は色々なコピーで完成しただけのものです。
まず柄ですが、当方、水玉のTシャツを若いころ持っていました。なかなかかわいい柄でした。確かNYLON(昔あった古着屋さん)で買ったプリントTシャツでした。前身頃全面に、白地に水色の水玉模様です。まだ独身時代に持っていたものですので画像も無いため比べようもないですが、この柄よりもう少し小さめで、丸の数も少し多かったと思います。で、手染メ屋を始めた時にいろいろな絞り柄を考えていたのですが、その時に思い出してパクったものです。
次に命名ですが、これもご想像の通りパクりです。「風の谷のナウシカ」のあのオームです。たまたま最初に作ってみたのがこの茜の色、当方では「鴇(とき)色」(この色名も江戸時代に使われている色名のパクりです)の下地に藍染めをした柄だったのですが、作りあがってすぐに頭に思いついたのがオームの攻撃色です。なので「オームの目」です。何のヒネリもないパクりネーミングです。
念のためにお伝えしますと、Tシャツに「オームの目」と言う名前を冠した物はどちら様も商標登録されていなかったので法的には問題ありません。ですがネーミングのパクりであることには何の変りもありません。
また手法に関してですが、このフィルムケースのアイデアも当方が発明したものではありません。手染メ屋を開業する前に2年弱ほど修行をしていた益久染織研究所でお客様がどちらかの染め工房で面白いものを道具に使っていたという話の中に出てきていまして、「これは使える!」と当方が覚えていた手法です。
さらにいうならば、当方の天然染料の染め方も昔の人たちや現在の染色研究家さんのパクリですし、当たり前ですが2色使って柄を作る方法も全く新しいものではありません。

すなわち、その要素のどれをとっても、いわゆる「新規性」は無いのです。しかもどちらかと言うとそれほどマイナーではない所ばかりからの真似です。水玉だって、オームだって、Tシャツだって、草木染めだって、全然変わった新規性の高いものではありません。
ですが、これらの要素が全て同じようなバランスで組み込まれたプロダクトとなると、少なくとも当方はウチのアイテム以外に見たことがありません。おそらく時々このアイテムを「ユニークですね」とおっしゃって下さる方々も、ズバリのものは見たことが無いのでそうおっしゃって下さるのだと思います。

逆に、全く新しい要素ばかりで作ったプロダクト・・・、そうですね、例えば色々な地方の色の違うワカメを集めて、それを人間の髪の毛で作った糸で縫い合わせたパッチワークTシャツを作ったとしましょう。これ、とても新規性の高い要素ばかりですよね。実用性はともかく。でも、そうやってできたTシャツは「ユニークですね」という評価よりは「変なモノ」という言葉の方が明らかに正しい表現ですよね。

何が言いたいかと言いますと、一般的に、ポジティヴに「ユニーク」「クリエイティヴ」と言われるものと言うのは、その構成要素とその要素の使われ方自体は見慣れたもしくは知り尽くされたもので、その要素の混ざり具合(構成要素の種類、数、そして混ざるバランス)が新しい状態であることなのだと思うのです。それは、構成している要素とその利用方法に関してのある程度の知見が無い事には、出来上がったプロダクトの評価自体ができないからです。
ワカメで出来た服っておそらくほとんどの人は着たこと無いですよね。だから、「たぶん臭いだろう」とか「そんなのすぐ破れるだろう」などという裏付けのない想像の判断でしかものが言えないし、そもそも前例がないから「全然意味わかんないし」といった評価になる可能性が高いです。本当に新規な状態とは、『新奇』なものにしかならないことが多いのではないかと思うのです。

・・・・という前提で、ここから本題です。
と言いながら、少々長くなりそうなので続きは明日のブログにしても良いでしょうか。すみませんm(__)m。

続きの「オリジナルって・・・・その2」はこちら!

手染メ屋
http://www.tezomeya.com/

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