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貝紫ワークショップの報告

貝紫ワークショップの報告

報告が遅くなってしまいましたが、9月30日に「染めて食べる貝紫」ワークショップを開催いたしました。

特定の品種の貝の内臓のごく一部分だけを集めて、それを日光に当てて発色させるとても特殊な染め方で染まる「貝紫(かいむらさき)色」。
この夏から縁あってとても良いアカニシを頂いている大分のNPO法人水辺に遊ぶ会さんに今回も貝をお願い致しました。

ただ、とてもタイミングが悪く台風16号の影響で漁場である中津干潟で全く漁ができなくなってしまい、予定通りの貝を確保することが大変難しい状況になり、涙を呑んで晩餐イベントは中止。
水辺に遊ぶ会代表の足利さんがかほうぼうあたって下さり、ワークショップ当日になんとか5個だけ手に入りました。足利さん、本当にありがとうございました。


当日手に入ったアカニシ。立派です!

アカニシを解体してパープル腺の「プルプラ」(染料部分)を取りだし、消毒用エタノールに浸けてストックしていきます。そして、それを日光に当てます。


黄色だったプルプラが日光に当たることで紫色に

画像を撮り忘れましたが、このプルプラは貝の体内では黄色なのですが、日光に当たることで紫になります。まずはしっかり紫色にしてから染めます。
結局太陽の光エネルギーを借りて酸化を促す、ということになるのですが、そんな話を日光にあてて液状で発色させてる間にいろいろさせて頂きました。


皆さん、面倒くさい話を聞いて下さっています

1時間半ほど日光に当てて、発色した紫色の液に水を加えて、そこに炭酸カリウムとハイドロサルファイトを規定量投入。貝紫染めの染液を作ります。
そして、その染液に皆様の染めアイテムを入れ、加温して還元させながら染めていきます。

すると、薄紫だった染液が黄ばんだ色に変わって行きます。そのまま80℃程度まで温度を上げながら染め続けます。だいたい一時間ほど染め続けたら、染めアイテムを取りだして空気中で酸化!
そうすると、見る見るうちに紫になる・・・・

・・・はずが、なんと青にしかなりません。。
ほんの少し、紫の風情を残しながらなんですが、色は青です。
店主の「やばぃなぁ・・・」という気持ちがそのまま表情に表れているのがご覧頂けると思います(苦笑)。
なんと、あんなにオウギョウに「きれいな紫になります!」と謳っておきながら、染め失敗という事態に。

原因は、染料を日光に当てる時間が短すぎた事でした。
ご参加の皆様が染めた、青のままのアイテムをそのままお預かりして、週明けに日光に当てて、しっかり洗って、やっと紫に。

ただ、当初の想定よりは薄めの色のままの仕上がりでした。
これは、店主が調子に乗って「たくさん染めてもいいですよ~」とか言ってしまったためでして、単純に染料分量に比して染アイテムが多すぎたということ。

ご参加の方々は皆さまお優しい方たちばかりで、「どないなってんねんっ!」的なクレームも無く、穏便にワークショップは終了したのですが、店主は反省しきりでした。
ただ、今回のワークショップを開催するに当たり事前の準備や実験作業を通して、新たに分かったことがいくつもありました。いつも思うのですが、ワークショップ開催することでだれが一番勉強になるって、主催側なんですよね。

ご参加の方、本当にすみませんでした。そして、こんないい加減な染め工房のワークショップにお付き合いくださり本当にありがとうございましたm(__)m。
今回の結果と失敗と反省と分かったことを踏まえて、来年懲りずに満を持してまた開催いたします。その折はまた是非お付き合い頂けましたら幸いです。

そしてそして、アカニシが予定通り手に入らなかったので公式の晩餐自体は中止でしたがすこしだけ貝肉があったので晩餐をお願いしていたうまいもんやいっしょうさんに持ち込んで小鉢を作って頂きました。

やはり絶品!美味しいです。来年はもっとちゃんと食べられるよう頑張ります。

来年5月の再度貝紫ワークショップ開催に向けてさらに精進致します。
今後ともtezomeyaを何卒宜しくお願い致しますm(__)m

 

天然色工房tezomeya
https://www.tezomeya.com

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