アカニシ貝紫染めワークショップの報告

去る2019年5月25日(土)に伝統色のワークショップ「アカニシで染める貝紫色」を開催いたしました。日にちが経ってしまいましたが、ワークショップの内容を報告いたします。

快晴に恵まれた土曜日。できるだけお日さまの光を浴びたい染めですので12時からワークショップスタートです。画像にそって解説していきますね。

 


当日も立派なアカニシが大分県中津干潟の漁師さんから届きました。

 


アカニシからうまいこと身を取り出して、「プルプラ」と言われるクリーム色の部分だけを切り取り集めます。

 


この部分です。体はとても大きくても染料に使える部分はほんの少し。ここだけを切り取り集めます。

 


集めたプルプラに消毒用アルコールを入れてジューサーでミックスして・・・

 


日光に当てると、クリーム系の色だったプルプラが少しずつ紫色になって行きます。

 


紫色になったプルプラをこそぎ落として全て不織布に入れて鍋に入れます。

 


炭酸カリウムとハイドロサルファイトを鍋に入れて加熱します。温度を上げながらアルカリ状態で還元していくと、最初はこんな風な紫暗い色だったのが・・・

 


こんな黄色に変わります。この色になったところで染アイテムを投入してやっと染色に入ります。

 


充分染まったところで鍋から引き上げると最初はこんな黄色ですが・・・

 


しぼって広げて空気にさらすうちにみるみる色が変わって・・・

 


きれいな紫色に仕上ります!

 

順番にしぼって広げて空気にさらして行きます。どんどんきれいな貝紫アイテムが増えていきます。

なお、このあたりの画像すべて部屋内が少し暗めですが、これは電気を消しているためです。貝紫色の正体であるジブロモインジゴという色素は、還元されて黄色になっているときに強い光を受けると、インジゴに変っていってしまうというややこしい性質が有ります。
インジゴとは藍染めの色素のこと。すなわち、簡単に言えば、この染め方では染めている途中の黄色の時に強い光が当たると、仕上がっても青みの強い紫になってしまう、ということです。
貝紫染めは、藍染めととても良く似ているところが有ります。ですが、藍染めのメカニズムよりも少々複雑な点が更にあり、なかなかややこしい染料でもあります。

 


これは参加者の方のお一人が素材によってどの程度染め色が違うのかを知りたくて作った生地です。上からレーヨン、絹、ウールです。全然染め色が違います。

 


これもご参加の方がお持ち下さったマルチファイバークロスという実験用布で、素材による染め色の違いが一目でわかる優れモノです。
上から綿、ナイロン、ジアセテート、ウール、レーヨン、アクリル、絹、ポリエステルです。
ナイロンがものすごく濃く染まっているのが驚きですし、ウールと絹は同じたんぱく質系であるにもかかわらず全然色相が違うのも面白いです。
マルチファイバークロスの貝紫染めはあまり聞いたことが無いので、研究者にもこの結果はなかなか興味深いのではないかと思います。ご参加のY様、ありがとうございました。

 

画像はありませんが、合間にはアカニシのお醤油漬けやオリーブオイル漬けを皆で頂きました。また、アカニシの貝肉は全てご参加の方にお持ち帰りいただきました。もちろん食べる為です。とても美味しいんですよ。

今回も大盛況の貝紫染めワークショップ。
このイベントも毎年恒例になりました。それもこれも質の良いアカニシを獲って下さる中津干潟の漁師さん、そしてその間を取り持ってくださっているNPO法人水辺に遊ぶ会さんがいらっしゃるからでして、本当に感謝感激雨あられでございます。

そしてまだまだ分からないことだらけの貝紫。今後ももっといろいろ調べてトライアンドエラーを重ね、更に来年のワークショップでそのお話しを披露できるよう頑張ります。

今回もたくさんのご参加、本当にありがとうございました。
そして来年もまた是非宜しくお願い致します。

 

http://www.tezomeya.com

2 thoughts on “アカニシ貝紫染めワークショップの報告”

  1. 素晴らしいリポート、ありがとうございます😊
    染めて、食べて、貝も成仏出来るでしょう❓ははは😄

    1. 城崎先生 ありがとうございます!
      いや、本当においしいんですよ、この貝【^^】

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