お手持ちの白生地を草木で色無地に染め上げます

やさしく深くなんともいえない天然染料の色彩が一番映えるのは、やはり絹地です。上代のいにしえから私たち日本人の審美眼を養ってくれてきた気品ある色目は全て草木からでした。
既に平安時代には完成されていたそういった数々の色目の染め方を、当時の文献を参考にしながら少しでも当時の彩りに近づくように。そんな色になるよう手染メ屋は日々精進と勉強を致しております。
お手持ちの白生地をお持ち頂ければ、その時点での知識と技術を総動員して染めさせて頂きます。使用する染料も、通常の染めとは違う草木を使います。お値段は高めですが、御期待にお応えすべく全力で取り掛からせて頂きます。是非一度手染メ屋の着尺染めをご利用ください。

なお、色名に時折「擬(もどき)」という文字が入っているのは、上代の染め師に対する敬いからくるものです。とても彼らのような、何十日もかけて素晴しい染めをするだけの時間と技術が当方にないがための言い訳でもあります。
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黄櫨染

黄櫨染(こうろぜん)擬

染代本体価格:145,000円+消費税/着尺1反

ハゼノキとラック(花没薬、アジアのカイガラムシ)で染めます。延喜式によると平安時代は櫨十四斤(約9.5kg)と蘇芳十一斤(約7.5kg)で生地1反を染めていました。蘇芳は色褪せしやすいので、当工房ではラックを使用します。天皇のみが着ることのできたいわゆる禁色で、彩の混み入った赤茶色に仕上がります。麹塵同様、この色も演色性がはげしいです。
麹塵

麹塵(きくじん)擬

染代本体価格:125,000円+消費税/着尺1反

刈安(かりやす)と紫根(しこん)を使って染めます。青白橡(あおしろのつるばみ)と同じ色目といわれ、延喜式によると当時も刈安と紫根を使っていましたが、その使用量がものすごく、生地一反を染めるための刈安はなんと70kg近くだったそうです。天皇のみが着ることの出来る禁色で、何とも言えない緑系の色に仕上がります。この色はとても演色性がはげしく光源によって見える色が大きく変わるのでも有名です。実際に染めた色は上の見本とは違いとても複雑なものになり、蝋燭や白熱電球などの下ではベージュですが、日光で見るとグリーンに見えます。
紫

紫(むらさき)擬

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

染料は紫根(しこん、ムラサキの根)のみを使って何度も染め重ねます。平安の頃には「深紫」と書いて「こきいろ」と読む色があり、これは延喜式によると紫根を20kg使って何度も染め重ねをして濃い紫色に仕上げていたようです。紫は最も古い時代からの高貴な色目。603年の冠位十二階からずっと最高の色位です。上代の深紫までは無理ですが、手染メ屋では紫根で何度も染めて彩りよいすこし青寄りの紫の色無地に仕上げます。
刈安染

刈安染(かりやすそめ)

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

染料は色名と同じ刈安を使って黄色に染めます。刈安はイネ科の植物でススキに良く似ています。わが国では黄色を染める最も古い染料の一つで、正倉院にも刈安色の和紙が沢山残っています。603年の冠位十二階の色位以外には位の高い色として扱われてはいませんが、中国では古くから天子の色としてもてはやされていました。クチナシやキハダなどと違い少々青味が見えるくらいに純な黄色が刈安染の特徴。気品ある色目に仕上げます。
朱華

朱華(はねず)擬

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

染料はクチナシの実とアカネの根を使ってオレンジ系の色に染めます。奈良時代より紫と同じく高貴な色として扱われていた朱華は、その後平安時代に「黄丹(おうに)」という色名に代わり皇太子のみが着用できる色目にまでなりました。その黄丹は平安時代の延喜式によると紅花十斤(約7kg)とクチナシ一斗二升(約10L)を使って染めていました。紅花は色褪せが早いため、手染メ屋では紅花の代わりにアカネを使用します。明るい元気な赤味のオレンジ色に仕上がります。
鈍

鈍(にび)

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

染料は矢車附子(やしゃぶし)の実を使用します。この色目は位にあまり関係なく昔より喪に服する気持ちを表す色だったようで、濃い鈍色であればあるほど近しく親しい方が亡くなり悲しみにくれている様子を表していたとのこと。現在ではそのようなことは無いのでもちろん常時にもお使いいただける色です。矢車附子の実を煮た液に浸けては鉄と発色させ、何度も染めます。鈍色の濃淡にはある程度ご希望に沿えると思います。
鶯茶

鶯茶(うぐいすちゃ)

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

染料は楊桃(やまもも)の樹皮を使用します。くすんだ宇治茶色といった風情のとても合わせやすい色目と思います。色名通りの鶯色が茶味にふれた色で、四十八茶百鼠のひとつとして、江戸時代に町人文化でもてはやされた色のひとつです。楊桃の樹皮を煮出して、何度も染め重ねては金茶色に仕上げ、後半に鉄を加えて色をくすませてこの色に仕上げます。
緋色

緋色(あけいろ)

染代本体価格:100,000円+消費税/着尺1反

アカネの根を使って染めます。緋(ひ、あけ)とは古来からの呼び名で「赤」のこと。でもその色合いは今の真っ赤ではなく、少し褐色がかった若干渋い赤です。延喜式による「浅緋(あさきあけ)」が緋色のレシピと同様といわれており、アカネ三十斤(約20kg)を使って染められていました。通常の染料ではなかなか出そうで出ない色調で、法衣や訪問着など良くご依頼を頂く色です。
この他にも時期やタイミングによっては染められる色がございます。ご要望ズバリに色あわせをする染色はできませんが、できるだけご希望のお色目に合う様検討いたします。お気兼ねなくご相談ください。
なお、着尺1反の染代の最低本体価格は50,000円+消費税からです。

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糸染めも承ります

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お持込の絹糸、綿糸、毛糸なども染めさせて頂きます。
色目は「手染メ屋の色」にある色のほか、ご希望に沿えるようご相談で決めさせて頂きたいと思います。
お気軽にご相談ください。

糸染めの料金
一色10gあたり本体価格200円+消費税から。
最低料金 一色あたり本体価格4000円+消費税