tezomeya ブログ
イヌイットの言葉のこと
染め体験に海外の方がいらっしゃいました。
カナダのケベックの北端に住むフランス人…
そう、イヌイットの町です。
日本語が全然通じないのでちょっと苦労しましたが
とても楽しい6時間を過ごさせていただきました【^^】
彼は同年代でして、イヌイットの原始的で美しい生活に魅せられて
フランスから移住してしまった、美しい性格のヒトでした
いろいろとイヌイットの文化や生活のお話を伺いました
すごく勉強になりました。
いろいろ彼に質問しては教えてもらってたのですが、
その中からとても大切なお話をひとつ。
彼に
「イヌイットとエスキモーの違いって、ナニ?」
と聞いた途端、彼の顔が険しくなりまして、
「マサ、頼むからエスキモーというコトバは使わないで欲しい」
と言われたんです
彼によると
どうも、エスキモーと言うのはひどい差別用語らしい。
その昔、ベーリング海峡がまだ地続きだった頃に
ユーラシア大陸から北アメリカ大陸に民族が大移動したそうで、
最初にきたヒトたちは暖かい中米から今のアメリカに、
そして順繰りに北に住んで行ったそうです。
最初に来て暖かくて住み良い中米に住み始めたのが
インディオ(これも差別用語らしいが)に、
その後にアメリカに到着して住を構えたのがインディアンに、
そして、遅れて来てみたら住みよい場所は全て先客済みだったので
泣く泣く寒い北米の北端に住んだのがイヌイットなんだそうです。
イヌイットとは、イヌイット語で「ひとびと」という意味。
自分達のムラや仲間を全てイヌイットと呼んだそうです。
それに反して、インディアンたちは、イヌイットの人達を
「やつらは火を使えないから肉を生で食べるらしいぞ」
と馬鹿にしていたそうでして、
あるインディアン族のコトバで「生肉を食らう者」という意味の
“エス・キ・モー”が、インディアン全体での彼らに対する
中傷表現となったそうです。
その後、長い年月を経てヨーロッパから白人が来て
インディアン達がイヌイット達を”エスキモー”と呼んでるのを聞いて
彼らもエスキモーと言い、それが世界を巡って日本にも
浸透しちゃってる、というわけです。
アイスクリームの代名詞なんかにまでなっちゃって。
イヌイットの人たちは、この”エスキモー”と言う呼び名を
昔から嫌っているらしく、でも、温厚な人たちなので
それで戦いを起すでもなく、ほとぼりが冷めるのを待っているそうですが
この呼び名で呼ばれると本当にココロを傷めるそうです。
日本でのエスキモーアイスの話をすると
彼はとても残念な顔をしていましたが、
「やはり、僕たちがもっと働きかけないといけないんだね」と
責任を感じて反省しておりました。
皆さん、お願いです。
このコラムを読まれた方は
今後「エスキモー」という言い方をしないように
お願いします。
僕たちには全然悪気は無くても、
彼らにとっては、とても辛いコトバとしてグサグサと突き刺さるそうです。
僕らがアメリカに行って、ガイジンに
「ヘイ、イエロー・ジャップ!」と
ニコニコされながら呼ばれたらどうします?
相手には悪気がなかったとしても、
かなり心中フクザツですよね。
そして、一人でも多くの回りの方に
この話をしてあげてください。
カナダに旅行に行く人にも、
そうでない人にも。
少しずつでも誤解が解ければ
いつかは「エスキモー」という呼び名も
過去の悪語と消え去る日がくるかもしれません。
とても愛らしくて美しいイヌイットの人たちのために、
そして、
イヌイットを愛して援助活動をしている素晴らしい人たち、
ジャンさんたちのために。
お願い致しますm(__)m