tezomeya ブログ
藤田嗣治展
自分の話で恐縮ですが、ボクは、およそ芸術的素養というものを
全く持ち合わせていない人間でして、
特に絵はもう、笑っちゃうくらいヘタです。
いや、この仕事をしてるとね、よく勘違いされるんですよ。
「アオキさんって、絵もお上手なんでしょうねぇ♪」
なんて。
だいたい、この「絵も」の「も」自体、大きな誤解なんですが(苦笑)
他に上手なものなんて一つもありません。しいて言えばヘリクツでしょうか(笑)。
申し訳ありませんm(__)m。
絵、スゴイヘタです。
もちろん、ヘタウマではありません。
真正ヘタです。
小さい頃からもの作りの世界を夢見ていたような文化人候補生では全然なく、
昔は普通に野球選手とかパン屋さんとかになりたかっただけでして、
染め屋をしたい、何て思い始めたのはここ10年位の事ですから
まぁ無理もないんですが、
こういう種類の仕事はやはり芸術系学校を出た方が多いみたいで、
ボクもそういった方々と勘違いされることが多いです。
すみません、ホントただのサラリーマンだったんです、ハイm(__)m。
・・・と、話を戻します。
藤田嗣治展です。はい。
す
ご
か
っ
た
です。
えっとですね、泣きました。風景画見て。
嗚咽とか号泣じゃないですよ。
じわっと、ええ、少量のしょっぱい液体が右目頭から鼻の横をたどって
唇端に静かに到達。
そういう涙でした。
ターナーの絵を見たとき以来でした。絵を見て泣くって。
泣ける絵が良い絵なのかどうかは良くわかりませんが、
少なくとも、この人の絵は、
がつぅぅぅぅん!
と来るものがいくつかありました。
全部じゃないですヨ、さすがに。
でも、めったにないですから、この
がつぅぅぅぅん!
ってのは。
色がね、ヘンです。この人。見たこと無い色多すぎです。
それにね、ディテイルがね、細かすぎます。びっくりです。
偏執狂的タッチです。
輪郭しっかりでこってりしてなくて、おかしいです。なんで?
・・なんて、言葉にしだすと安っぽすぎていやになるくらい
がっつぅぅぅぅぅんでした。
恥ずかしながら、今回の生誕120年記念展まで
この藤田嗣治さんって知らなかったんです。
そんな絵の素養の無いボクでさえも
こんなにやられたんだから
このコレクションで打ちのめされた人多かったんだろうなぁ、なんて
思いを話しながら、番頭とのんびりかえってきたのでした。
人間ってすごい。
ときどき、そう思わせてくれる人っていますよね。
とにかく幸せな日中の3時間でした【^^】。
天国にいる藤田嗣治さん、ありがとう。
これからも宜しくお願いします。
店主@手染メ屋
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