消費税に関しまして・・・

皆様　本日は少々真面目なお話しをさせて頂きます。

誠に申し訳ありませんが、来年１月より消費税５％分を現在の希望小売価格に乗せて販売させていただくことと致しました。

消費税は、売上げ金額が年額一千万円以上を超えた年度の２年後から納税義務が生じるものでして、
手染メ屋はおかげさまをもちまして２００５年度の売上げが初めて一千万円を超えました。
そのため、２００７年度決算から消費税分の納税を義務づけられることとなり、大変申し訳ないのですが、その納税分を皆様にご負担いただくことと致しました。

これは、実はいろいろ考えるところがございました。
ただでさえ高い商品に、更に消費税を乗せるというのは正直申し訳ない気持ちで一杯です。
今回の納税義務で納税金額が百万円単位で増えるわけではないですし、いわゆる「企業努力」（個人事業主ですが）というもので値上げ無しにて進むのも可能かもしれません。
はい、キャッシュフロー的にはおそらくなんとかなるのでしょう。

ただ、ここで消費税分の値上げをせずに、お客様が消費された分の税金を手染メ屋が立て替えて払うとなると、
ボクの中で勝手に皆様に対していわゆる“貸し”を作る気分になってしまいます。
これは金額の問題ではありません。極めてメンタルサイドの問題です。

これはボクにとって大変まずいことなんです。

ボクはとても弱い、ヒクツな人間なので、こういう小さな小さな、しかもボクが勝手に作りあげた“貸し”でさえも、例えば忙しい時、例えばいい商品が出来なかった時、例えばお客様から少々無理なご相談をいただいた時、突然首をもたげてしまいそうです。
これは、正直に白状しますが、サラリーマン時代にそういう状態になったことが数多くありました。ボクはそういう時本当にヒクツな人間になってしまいます。
突然モチベーションが下がり、仕事の質が落ち、結果アウトプットされるものが最悪な状態になります。
今現在は本当におかげさまでとても健康的な仕事をさせていただいているのですが、こういうちょっとした自己矛盾に耐えられない弱い人間は、その原因となりそうなものは出来るだけ排除しなくてはならない・・・。

そのため、皆様にご迷惑をおかけしてでも、ボクの自己中心的“貸し”は作ってはならない。番頭と相談してそう判断させていただきました。

申し訳ありません。ボクが弱い人間であるがゆえに来年から皆様に５％の値上げを強いる事となります。

「おまえの身勝手でそんな簡単に値上げされたたまるかっ！」
・・とお心持ちの方もいらっしゃると想います。本当に申し訳ありません。
消費税は税金だ、といいながら、税込の金額がその商品に対する対価であることにはかわりありません。
商品価値が全くかわらないにも関わらず例えばTシャツで３００円以上もその対価が高くなるのは
単にボクが人間的に弱い、耐性の低い精神の持ち主だからだ、と言っても言い過ぎではないかもしれません。

本当に申し訳ありません。

もし、それでも、対価が５％分高くなっても、まだなんとかお許し頂けるのでしたら、そのご慈悲に甘んじることなくなお一層謙虚に粛々と染め業を全うしていきたいと想う所存でございます。

値上げを無条件にご理解くださいとは申しません（サイトのトップページでは言ってしまってますが）。
ただ、簡単に税額分を上乗せした訳ではない点のみ何卒御了承いただけましたら幸いです。

いま少し対価が上がっても皆様に我慢いただけるような商品作りを目指していきたいと想います。

また、消費税額分アップをお許しいただけるならば、更に、その消費税が一体どのように有効に国が使ってくれるのか、ということを一緒に考えられればと思います。

当方、本当に政治には疎いのですが、疎いなりに思うところはあったりします。
しかし、今後皆様からお預かりした消費税を代理納税する立場として、「疎い」で済まさないよう、ただ「思う」だけではなく藤原正彦さん的にいわゆる「品格」のある一国民で在るよう一層努力を致す所存です。

・・・・と、結局長々と言い訳を申したに過ぎないかも知れませんが、
真面目に正直な気持ちを述べさせていただきました。

ご意見、おしかり、何なりとお受け致します。
サイト上ではなく、ブログでお伝えいたしましたのもそのためです。

今後とも手染メ屋を何卒宜しくお願い致します。

店主＠手染メ屋
https://www.tezomeya.com/