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tezomeya日記

貝紫染めワークショップの報告です!

うわぁ、今月はブログサボりまくりです・・・。
サイトリニューアルが暗礁に乗り上げちゃって、プライベートでもちょっと
ややこしいバタバタが出てきて、いや、悪いことじゃないんですけど、
そんなこんなで、ご無沙汰してしまいました。すんませんですm(__)m。

今日から怒涛の追いあげしますっ!

ってことで、本日は先週土曜日に開催した
「伝統色のワークショップ2009 第三回 ~貝紫染め」
のご報告です!

貝紫染めって、もう、絶対にお日様が必要なんですよ。
ですので、今回の募集は“雨天順延”という甚だ身勝手な条件付で募集してしまいました。

これ、ご遠方の方は絶対敬遠しちゃいますよね・・。すみません。反省してます。
それにもめげず名古屋からいらしていただいたO様、本当にありがとうございました。

しかも、時期的に新型インフルの感染者が関西でどんどん増えていく中での募集、ということも関係してか、
残念ながら染めワークショップ始まって以来の定員割れ。予定より1名少ない6名で行いました。

でも、皆さん市内で感染者が出始めたにもかかわらず果敢に御参加頂きました。
感謝感激でございました。本当にありがとうございました!

そして、当日は嬉しいことに晴れ
皆さんの日頃の行動がよかったんでしょう、きっと。ハイ。

で、早速アカニシを準備してそそくさと工房の中庭に出ます。
え、なぜって?
理由は、

「臭い」

からです。

すごいんですよ、ニオイが。ほんとに。

これ、今回貝紫染めに使用したアカニシです。

画像では当然わかりませんが、磯のニオイぷんぷんです。
でもね、磯の香りだけならそんなに大騒ぎしません。
この後です、この後!

今回のアカニシは、着物企画会社の「じゅらく」さんから
分けていただいた貴重なもの!全部で40個ほどはあったでしょうか。
ワークショップにはじゅらくさんのスタッフ小林史枝さんもいらしてくださり、
なんとボランティアでお手伝いくださいました。

小林さんは2年ほど前に麻の糸績みの講習を手染メ屋で開催したときの先生でもありまして、
いつもお世話になっております。
じゅらくさん、小林さん、本当にありがとうございました!

さて、ということで、まずはこのアカニシをかなづちで潰していきます。

潰すと中に内臓がありまして、その一部分が染色に使える「パープル腺」という部位。
この特別な部位だけを取り出してどんどん皆さんに集めてもらいました。

アカニシ大量虐殺の一シーンです。

皆さん、マイかなづちでせっせと作業して下さいました。

このアタリから、だんだん磯だけではない香りが周りに漂ってまいりました。

はい。本当に臭いのは、貝のニオイじゃないんですよ。
貝紫のキレイな紫色の色素である「ジブロムインジゴ」っていうやつ自体が
ものすごい臭いんです^_^;。

色自体が臭うんだから、もうこれはあきらめるしかないんですけど、
本当にひどいニオイです。
画像でお伝えできないのが残念です。

これが貝を潰して集まったパープル腺です。

この洗面器×人数分の6個ありまして、もう、どんどんすさまじい
ことになっておりました。

ところで、このパープル腺、「パープル」なんて名前が付いてる割には全然紫じゃないですよね。
黄色ですよね。

実は貝紫の色素は、貝の体に入っているときはほとんどの場合この黄色でして、
これはまだジブロムインジゴになる前の前駆体なんですよ。
詳しいお話しはココでは省きますが、この前段階の物質が、酸化されて紫色のジブロムインジゴに変わります。

で、このジブロムインジゴへの酸化に必要不可欠なのが紫外線のエネルギーなんです。

なんか簡単に話そうとしている割にはちょっとややこしいですが、
要は、この黄色が日光に当たることで紫色になるんです!

はい、で、これが一時間ほどかけて紫色にしたものです!

ね、すごい濃い紫色でしょ。

そして、この紫色になったものを改めて還元して染色準備するんです。

貝紫染めは、貝から採った黄色のパープル腺を直接生地や糸に擦り付けて
染色したのちに、その生地や糸を日光にさらして紫に発色させる方法が
最も単純でわかりやすいのですが、それだとムラなく濃く布アイテムを
染めることがとても難しいんです。

なので、今回は一度完全に染料状態で紫に酸化発色させてから、還元して
染液をちゃんと作ってそれで染めて再度酸化させる、という方法で染めました。

そして、これが還元して染めている途中の鍋です。

この中に参加者のアイテムが入ってるんですよ。
どう見ても明るい黄緑ですけどこれでいいんです。

炭酸カリウムとハイドロサルファイト(還元剤)を使って還元しながら
更に火で熱しながら30分ほどかけて沸騰までもって行きます。

そして、沸騰したら火をとめて、染めたアイテムを
取り出して絞るんです。

すると、あらあら不思議、どんどん紫色になっていくんですっ!!

そして、とってもキレイな紫の染めアイテムができあがりっ!

・・・って、発色途中と発色後の写真を撮るのを忘れてしまいました・・・。
いつもこんなんだな。すみません・・。
ご参加された方でこのブログ読んでいただいている方がいらっしゃったら、
是非写真下さいm(__)m。

今回行った貝紫の染めメカニズムは、実は藍とほとんど一緒なんです。
貝紫の色素であるジブロムインジゴと藍の色素であるインジゴは
とっても良く似た物質なんですよ。もちろん色は違いますけど。

でも、ジブロムインジゴのほうが還元されにくいとか、
ニオイがひどいとか、違うところもあるんですけどね。

ちなみに、最後の染色中はもちろん工房内での作業でしたので、
ショップも工房もすさまじいニオイの渦中だったことは言うまでもありません。

何も知らずにいらっしゃったお客様には平謝りに謝りました^_^;。

でも、おかげさまで本当にキレイな帝王紫の色に染まりました。
ね、みなさん、すごぉくきれいな色でしたよね!

貝紫染めのワークショップって自分で言うのもなんですけど
天然染料のワークショップの中でもかなり珍しいものだと思うんです。

でも、皆さん本当に楽しんでくださったので、アカニシが手に入ることが
あったら是非また開催したいと思います。
今回御参加いただけなかった方でご興味おありの方は是非是非
手染メ屋イベントチェックしておいてくださいね。

さて、6月のイベントは6月13日に手習い教室で「“手”づくり教室」、
そして6月20日は公開実験教室で「緑染め」を開催します。
詳細は申し越しお待ちくださいませ!

店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/

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