tezomeya ブログ
帰省
先週の日曜日は法事で久方ぶりに田舎に帰った。
プロフでも申し上げておりますが私、三重県熊野の生まれでございます。
育ったのはずっと東京で、実際に熊野に住んだのは小学生のころ
1年間だけなんだけど、
父が熊野市、母は隣の尾鷲市の出身で、親戚みんなこのアタリの人間なので
小さい頃は夏休みも冬休みもずっとここにいた。
なので、今ではもう田舎の実家みたいなもの。
今回は本当にご無沙汰で、約2年ぶり。みんな元気かな。
京都から近鉄で賢島行きに乗って松坂へ。
で、松坂から紀勢本線「南紀」に乗る。
電化されてないのでディーゼル機関車です。
ちなみにうちの田舎の人は鉄道のこと必ず「キシャ」っていう。
まぁここの人にとっては当たり前なのだが、親戚が東京に遊びに来たときにも
山手線に乗るときに「この緑のキシャ・・・」って言ってて、小さい頃は
妙にそれがまぶしかった。
ボクもトモダチに小田急線に乗るのにわざとキシャって言ったりしてた。
・・・と、話は戻って松坂といえば牛肉ですね。
お決まりのモー太郎弁当を買う。
知ってます、モー太郎?
こんなヤツです。
牛肉弁当作ってるメーカーのメインキャラクターだ。
最近作られたキャラじゃないから、全然ユルい雰囲気は無い。
かといって、セント君みたいな気色悪さも無い。
正真正銘の昭和のキャラ。
個人的には結構好きだ。
「あぁ、帰ってきたよ」って♪。
ちなみにこのモー太郎寿司は写真のカード付。
何に使うのか全然わからん。
正直さすがに貼る気にはならないし・・・。
牛しぐれ入りの巻き寿司をパクつきながら、
車窓越しに紀伊山地の風景を眺める。
この辺りは本当に緑が深い。ところどころに渓谷もあったりして。
線路の傾斜もきついから、「南紀」のディーゼル車両は特別エンジン。
スイスの山岳鉄道に使われているものを移植している、
という話を聞いたことがある。
で、トンネルがむちゃくちゃ多い。
こんなのがもう、ずっと。
何十個もあるよ。
山深い紀伊山地を抜けて海岸線に出るともうすぐ。
画像撮るの忘れた・・・。
松坂から熊野市まで今では2時間だ。
速くなったなぁ。
ボクが小学校の頃なんか、名古屋から5時間もかかったもんね。
熊野市駅について、親戚の伯父のうちに。
柴犬のマリリンを散歩に連れて、歩いて1分の海岸に。
このアタリの浜はほとんどが砂利浜。
御浜石っていって、結構キレイな丸石の浜だ。
うちの工房にも何個かあるよ。重石として。
今は市の条例で持って帰っちゃいけないことになってるんだけどね。
ここの海は急にがくんと深くなるから、全然泳げない。
波がきついし、すぐに風向き変わるし、危険なので
マリンスポーツも全く出来ない。
夏の熊野大花火大会の会場になるこの浜。
小さい頃、何するでもなくしょっちゅう来てたこの浜。
あぁ、やっぱここ、いい。
ボクの中で標準化されている海の風景。
白い砂浜でも、
海の家でにぎやかな海水浴場でも、
マリンブルーがきれいなさんご礁でも、
どれでもない。
この、鈍色の海浜と青い空と白い雲と波(この日は曇ってたけど)。
実は、海はそれほど好き、ってわけじゃない。
どちらかというと、山の方が好き。
それは、ここの海がボクの中でのスタンダードだからなんだ、
と思っている。
遊ぶための浜でもなく、景色がむちゃくちゃきれいな浜でもなく、
ただ、海。
“がんばってる感”がなくて、心地良い。
ご無沙汰してましたm(__)m。お元気でしたか?
3年前から、従兄弟がこの浜沿いの国道脇で居酒屋をやっている。
「かだす亭」って店。
晩御飯はそこで頂いた。
勝也ちゃんと奥さんの薫さんが二人で切り盛りしてる。
ここに来ると、小学校の頃夏と冬毎年帰ってきて
一緒に遊んだ頃の話をする。
なんかね、いっつもおんなじ話するのよ。
離れでいとこ同士で寝て怪談してて怖くなって
夜トイレいけなくなっておねしょしたことや、
近くの神社の石垣に行って、ユキノシタを餌にして
サワガニを釣りまくったことや、
それをミルク缶に入れて、カニが息できるように
お手伝いさんのタマさんが千枚通しで缶にたくさん
穴開けてくれてそれを汽車に乗って持って帰るんだけど
東京に着く頃には全部死んじゃってたことや、
山に遊びに行って蚊に刺されると付き添いの
タマさんがタバコの灰を刺し跡に擦り付けてくれて
フシギにそれでかゆくなくなったりしたことや、
いろんないろんな話。
なんか、忘れないように、いっつも同じ話してるんかな、と。
そんな話をしながら美味しい美味しいお魚料理を頂いたわけですが、
中でも美味しかったのが、カツオのなめろう。
これ。
このあたりではアジのタタキやなめろうが普通なんだけど、
カツオのなめろう、おいしかったよ。
味がしっかりしてた。
ご飯もらう前に全部食べてしまいました。
勝也ちゃんと薫さんと、お隣のお客さんにもらった焼酎の瓶。
美しい時間をありがとうございましたm(__)m。
ということで、一泊二日してきちゃったので、
週明けの月曜日は全然仕事になりませんでした。
田舎は時間の流れがやっぱ違うわ。
でも、いい。やっぱ。
もっとマメに帰ろっと。
「呑み屋かだす亭」
店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/