tezomeya ブログ
農業するということ
先週の土曜日は臨時休業を頂いた。
なにをしていたかというと、
すみません、遊びに行ってましたm(__)m。
長野県の七草農場さんのお宅に、GARAGEの中西一家と。
七草農場さんは、以前手染メ屋のヨキモノプレゼント企画にも
ご協力いただいたので、既にご存知の方も
いらっしゃるかと思います。
長野の地で、有機栽培のお野菜やお米を作って
ネットやクチコミを通じで産直販売をされている
小森夫妻の個人農場。
その七草農場さんが、農場OPENしてから5年ということで、
5周年のイベントをされるというお話を聞いて、のこのこ関西から
家族で参加しに行ったわけだ。
残念ながら当日は雨だったにもかかわらず、東京近郊からたくさんお客さんや
お友達がいらして、どうも延べ人数は100人(!)にもなろうかという
ビッグイベント。
そして、小森ご夫妻の地元のお友達が屋台っぽくお店を出してくれて、
豆腐やチリコンカンやリンゴやジンジャーアップルやエビス生ビールなどが
ふるまわれる。
ギターの弾き語りやジャンベチームによるダンスなんていう唄と踊りの
ステージまであって、雨ザーザーなのにもう小森宅はすごいことに!
夜遅くまでドンチャン騒ぎをして、皆さんサンサンゴウゴウ帰途へ
着き始めると、僕らも庭にはらせてもらったテントに。
テントの夜。だいぶ酔っ払ってたけど。
翌朝はカラッと晴れて、七草さんの農場をあちこち見学させて
もらった。
これは黒米だそうです。
わかるかな・・・。
古代米のひとつで、白米に入れて炊くと全体が紫色になるんだって。
他にもいろんな種類のマメや、むちゃくちゃでっかいオクラや、
立派なへちまや、とっても美味しそうなコーンや、いろんなモノを
見せてもらった。
これは七草農場さんのものじゃないけど
すごい立派な栗。
はじけてるよね。とったら怒られれそうだったから採らなかったけど。
そして、帰りには七草農場さんのご友人でリンゴ農園をされている
善積農園さんのリンゴ園に立ち寄ってリンゴ狩りと見学をさせてもらいました。
全然知らなかったんだけど、リンゴって間引きがとっても大変なんだって。
リンゴの花が5月くらいに咲いて、その花ひとつひとつに実がなり始めるんだけど、
全部実がなると美味しくないから、どんどん花や小さな実を間引いていくらしい。
間引くタイミングってのが難しいらしくて、何段階かあるらしいんだけど、
何十本もあるリンゴの木全部に手作業で間引きをするのがホント手間らしい。
で、間引いて間引いて最後には、最初の花50個に対して
リンゴ1個になるくらいまでにしちゃうんだって!
ちなみに間引きすぎると大きすぎて大味なリンゴになるらしいです。
大変だ・・。
染色の方がよっぽどカンタンだ。
そんな手間がかかってるだけあって、善積さんのところのもぎたての
リンゴは本当に美味しかった。子供たちも何個も食べてた。
農業って、ほんと大変だ。
今回、寝泊りしていろいろ話を聞いて、心底思った。
間違いなく
「俺には出来ない」
と、思った。
周りからは時々、ボクらの家族は
どちらかというと七草農場さんたちと
同じように、
好きなことをして生活している部類の
人たちのように見ていただくことがある。
でも、僕らは七草さんとは全然違う。
確かに、好きなことをさせてはもらっているが、
その立ち位置は全く異なる。
・・・ということを今更ながらよぉくわかった。
七草農場の小森さんも、善積農園の善積さんご夫婦も、
どちらも元々からの農家ではない。まして長野出身でもない。
農家をするために、都会での仕事を投げ捨てて
見知らぬ土地にやってきたのだ。
ウチも、脱サラして染色している。
なんか似ていそうだけど、
彼らは産み出す仕事で、
僕らは加工する仕事だ。
ボクは物欲のカタマリだ。
モノが欲しくて仕方が無い。
そのためには当然お金も欲しい。
手染メ屋の商品は、全てボクや番頭が欲しいものを
「加工」して作っている。
その、原動力は、
「物欲」
だ。
でも、彼らは、どうもそうではないらしい。
今回色々話をして、そう感じた。
美味しい野菜を食べたい、
甘くて香りの良いリンゴをお客様に届けたい、
もちろんそういう物欲的事象も、仕事のモチベーションの一つだろう。
でも、彼らが最も大切に愛しく思っていることは
「産み出す」作業そのもの
の、ようなのだ。
「産み出す」という行動とその過程が、
何よりも重要な生きるための糧になっている。
そんな風にボクには映った。
更に言うと、
『自然』
という具象的抽象的存在に対する立ち居振る舞いも
根本的なところで違う、と感じた。
これは、ちゃんと説明しようとすると恐ろしく
長くなりそうだし、そもそも彼らの「自然観」を
確認したわけではなく、農業をされている方の
自然観を想像で申し上げることはとても失礼かつ
危険な行為なのでやめておきますが。
でも、とっても大事なところだ。うん。
これに関して一ついえることは、
ボクは自然と“対峙”する場所に立とうと
している、ということだ。
彼らは絶対にそんな“対峙”なんていう
言葉はつかわないだろう。
いえ、別にけんか売ろうって訳じゃないですよ。
感覚的にね、うん。
この話はこのへんにして・・・。
そんな、彼らの家や畑やにんじんやリンゴが
とてもとてもまぶしく見えました。
ボクにはできない。
とても美しい生き方。
あぁ、なんか言葉にすると、陳腐だな。
語彙が少ないからか・・・。
もっと素晴しく、ピコーンってわかったんだよ。これ。
なんか、このことに反応してくれる方がいらっしゃったら、
是非お話しましょう。酒でも飲みながら。
なんか、尻切れトンボ。
でも、本当に素晴しく美しい二日間でした。
小森さん、善積さん、ありがとうございました。
また遊んでくださいね。
善積農園
店主@手染メ屋
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