tezomeya ブログ
伝統色ワークショップ「深緋色」報告
シルバーウィークの最終日は
第四回目の「伝統色のワークショップ」。
皆さんお忙しい折を縫って
ご参加いただきました。
今回は「深緋色」。
“ふかきひ”と読みます。
“こきあけ”や
“こきひ”、
“ふかきあけ”でも
いいんですけどね。一応ボクはそう習いました、ハイ。
深緋色は茜と紫根で染めます。
最初に茜で染めて、その後紫根。
上代の色目はだいたいそうなんですが、2つの染料を使って染色するため
短時間のワークショップで体験していただくためにはだいたいいつも
どちらかの染料の下準備はしてしまっているのですが、
今回は無謀にも全て参加者に作業していただこうと思いまして、
あえてボクは何も準備しませんでした。
その代わりといってはなんですが、
別々の2つの作業が平行して行われる際の
人の動きや鍋のローテーション(これ結構大事なんです)を
頭に叩き込んで、何度もシミュレーションして本番に臨みました。
最初に染色をする茜の染料の炊き出しをスタート。
そしてほぼ同時に紫根の揉み出し作業もはじめて頂きました。
今回は3チームに分かれて、作業分担をしてもらい一つ一つ
工程をこなしていただくという内容。
「はい、Aチームの紫根担当の方!こちらに揉みだした液もって来てくださいっ!」
「茜の焚き出し終了は2回目は2時20分ですね! よろしくお願いしますっ!!」
なんて、偉そうに叫んでいると、もうこれ全然ワークショップじゃないみたいでして、
バイトの人に作業指示をしているような空気感。
皆さん忙しくてスミマセンでした。
しかし、皆さんの迅速な動きと素晴しい連携プレイのおかげで着々と
染めが進んでいきました。
まずは茜できつい赤色に染め上げます。
茜に染めるだけで
媒染→染色→媒染→染色
してもらったんですけどね。
そして、その後揉みだした紫根に入れて紫色を染め付けます。
そうすると少しずつ色がくすんで暗くなるんですね。
紫根も
媒染→染色→媒染→染色
を繰り返して頂きました。
今日は液に浸けること都合8回!
いやぁ、4時間半でよくこなして頂きました。ありがとうございました。
ちなみにこれ、普段ボクの作業では6日ほどかかる作業を
圧縮しまくって体験用にアレンジした内容になっていまして、
そのせいで皆さん本当に忙しかったと思います。
これまでのワークショップの中で最も作業量が多くて机に座ってる時間が
短いイベントだったと思います。
ボクもこれまでの中で一番しゃべる時間が短かったような(笑)。
深緋色は飛鳥時代のはじめ、冠位十二階が制定されたすぐ後に新たに
冠位に加えられた色名の一つです。
最高位の紫と、次に偉かった緋色の間の色でして、染色方法も
一番の紫を染める紫根と2番目の色を染める茜の両方を使った
中庸な方法。
色も使用する染料も、そして位も1番目と2番目の間だに割り込んだ
色目だったようです。
染め上がったのがこんな色
落ち着いたいい色ですよね。
参加者の皆様、ストールや帯揚げに思い思いの深緋色を染め上げて
お帰り頂きました。
皆さんのお話を伺うと
どうもボクの長話よりも手や体を動かしている方が
良いようですので、次回も作業多めの段取りになるよう
考えようかな、と思いました。
今回もご参加ありがとうございました!!
次回のワークショップは
11月3日「公開実験教室 媒染剤の違いによる染め色の差」
です。詳細はまた後日アップいたしますね。
そしてその前の週は、宮古島に出張してワークショップをします!!
詳細は後日アップいたします。
宮古島やその周りの島にお住まいの方、
是非是非遊びにいらしてくださいね!!
店主@手染メ屋
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