tezomeya ブログ
東京行ってきた
先週の木曜日と金曜日、久しぶりに東京に行ってきた。
例のごとく夜行バスで東京入り。
カフェで朝ごはん食べてから
まず向かったのが、青山にある
根津美術館。
前から気になってたところ。
しばらく改装してたみたいで
全然開いてなかったんだけど
10月くらいから新装リニューアルで
オープンしたらしく、朝イチに足を運んだ。
根津青山って人の私設コレクションなんだけど、
かなりすごいらしい。
ボクはお茶や古美術って全然わからないんだけども
数年前にしてやられた樂茶碗と、やはり数年前から
はまっている「へうげもの」の影響で、ちょっと
こういったものに興味が出てきたわけだ。
もりっとした志野茶碗や品のいい天目茶碗、
銘入りの有名らしい茶入なんかが盛りだくさん。
茶入れってかわいいよね。
良し悪しはよくわからんが、
ぷにっとしてて、釉のたれ具合が
なんともおいしそうなやつがあった。
空也って銘だったけど。
で、ところどころにスゴイ名前のものが。
小堀遠州作の竹の花入や
古田織部作の茶杓や
細川忠興作の茶杓や
利休作の茶杓とか。
なんか、ボクでも知ってる有名な
人のモノは茶杓が多かったな。
道入作の黒樂茶碗発見!
ぽってり、こってり、いい感じ。
触りたかったなぁ。無理だけど。
宝くじあたったら、1口欲しいものです。
樂茶碗。
使い方知らないけど。
他にも、とってもキレイな江戸の蒔絵の調度品や
殷時代の青銅器(これ、よかった)や、
ゆさぶられるものばかりだった。
商談の時間がせまってたんで
ゆっくり見れなかったんだけど
堪能させて頂きました。
今度はちゃんとゆっくり半日つぶせるように来よう。
その後昼過ぎまで2つ商談させて頂いてから
向かったのは千葉の佐倉。
川村記念美術館である。
この1年で3回目。
今回のメインの目的は、またもロスコだ。
前回のロスコ展の時に
しっくり来なかったロスコを
常設展で観てみたかったからだ。
他に見たいものももちろんあるけど、とりあえず
常設のロスコルームへ。
・・・・
ここは、シビアに張り詰めた空間だった。
決して湿っていたり、重圧感にさいなまされたり、
そんな感じじゃない。
神社のご神体って鏡じゃないですか。
それを思い出した。
ロスコルームで絵に囲まれながら。
なんか、自分の中身を、
壁にかかったロスコの
絵に見透かされてる。
そんな、感じだった。
誤解のないようにしてもらいたいのだが、
絵に魂なんてない。
そう思ってる。
これは絵に限らず、人間が作った
プロダクト全てに言える事だと
思うんだけど、
人間の手で作り出した表出物に
精霊や言霊らしきものが
やどるなんて、おこがましすぎる。
作り手の「気」や「エネルギー」を
垣間見る“スイッチ”や“暗号”みたいな
ものが、プロダクトに込められてるだけなんだ。
「だけなんだ」って言っちゃったけど、
でも、それがすごいことなんだよね。
作り手が作品に練りこめたスイッチや暗号に、
観察者が同期した途端に、観察者が本来
持っていた気やらエネルギーやらが、
観察者の中で変質するんだ。
時には増幅されたりして。
で、それがあたかもそのプロダクトの作者から
出てきたものであるかのように感じる。
これが、「共感」やら「感動」やら「衝撃」やら
「がっつーん!」やらなんだろうな、と思うんだけど、
このロスコルームは、この気やエネルギーが
多分、作者であるロスコの「彩り」に変換
されないのかな、と思った。
ロスコ自体、際立った彩を持たない作家だったのかな。
まるで神社のご神体の鏡みたいに。
なんか、そんな感じがした。
3月のロスコ展では全く気付かなかったことだ。
なんでだろ。
展示の方法が違うからなのかな。
それとも、オレが何か変わったのかな。
いずれにせよ、ロスコルームは素晴しい空間だった。
決して安易に気持ちいい場所、なんていえるトコじゃ
ないけど、確実にソウルフルでロックな部屋だ。
よかった。ロスコ嫌いにならなくて。
他にも、夜の暗い部屋のニューマンルームや
特別展の展示を見たりして、
閉館までじっくり過ごして、
3月のイベントで偶然お会いした
古舘さんや和泉さんと奇跡的な
再会をして、一緒にご飯を食べて
夜は更けていきましたとさ。
さてさて、二日目は次号に続く、です。
根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/
川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
店主@手染メ屋
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