tezomeya ブログ
番組「LIFE 夢のカタチ」 のこと
二つ前のブログでも紹介してたけど
先週の土曜日の午前中の番組に
出させてもらった。
30分のドキュメンタリー。
近畿広域プラス徳島県の計7府県で放映された。
調べると、この7府県の全世帯数は約890万世帯。
ボクの出た日の番組視聴率が2.9%だった。
ということは、25.8万世帯の人たちが
ウチの工房のドキュメンタリーを観てくれた計算になる。
月曜日が終了した時点で、
この番組のおかげで注文くださったとおぼしき
インターネット経由のお客様は25件。
ご来店が多かった。
特に土曜日は手染メ屋始まって以来の大混雑。
40組くらいご来店頂いた。
日曜日も急遽13時半から臨時開業したら
元々定休日の告知してたにもかかわらず
20組くらいご来店くださったし、
月曜日の今日もまだお客様の足は途絶えなかった。
番組の中で、ウチの工房内の様子を
たくさん取り上げてくださったおかげでしょう。
ホントありがとうございました。
テレビ局の方。
そしてもちろんご来店くださった方たちも。
今回の取材は3月13日から22日まで10日間。
毎日テレビカメラとお付き合いさせてもらった。
で、それでわかったことがいくつかある。
まず、テレビ番組って、意外と(って言ったら失礼だけど)
ちゃんとやらせ無しで映像を撮るんだな、ってこと。
今回の猩々緋の挑戦も、最大限ボクの意向が反映された。
あんまり時間がないにもかかわらず、試し染めにたくさん
時間をかけさせてもらったり、
昼間やりたい作業や夜中にやる作業なんかも全部こちらの
都合に合わせてディレクターさんが付き合ってくれた。
時には夜中(っていうか朝)の4時頃まで一緒に
作業したり。
なんか、おこがましいけど、“一緒に記録番組作ってる感”が
ボクの中にも生まれたりした。
それと、やっぱり製作局の力ってすごいんだな、と。
番組内でもあったけど、大阪城天守閣所蔵の
陣羽織を見せてもらう件、
あれはもちろん朝日放送さんのコネ100%だ。
ボクが一人で頼み込んでも絶対に無理。
あの陣羽織、ローテーションで年に一回くらいは
展示に出されるらしいけど、もちろんそれは
ショーウィンドウ越しの閲覧。
今回みたいにじかに数センチ間際でつぶさに観察なんて
絶対にできない。
そんな身近に詳細に見せてもらえたからってのもあるけど
ほんとにあれはすごかった。
ウールのフェルトでした。それを
ラックとおそらくクチナシかターメリックか、
黄色の染料とで染めたと思われる燃えるような色目。
400年以上も前のものなのにむちゃくちゃ状態がいい。
昔の素晴しい遺物が纏うオーラを、
あの陣羽織もしっかり発してました。
すごい気だった。
あの実物を見たからこそ、
あの猩々緋は、
黄色系と赤色系の交染で、
フィニッシュは間違いなく赤色系だ、
と思った。
見て、で、思ったんだよ。
っていうか、感じたんだよ。
ホント。
そういう第六感的なものは
普段あんまり働かない人間なので
こういうことは滅多にないんだけど、
今回は、そう感じました。
ホント。
こんな機会はもうたぶんないと思うし、
穴が開くほどつぶさに見せてもらって、
しっかり大脳皮質のフィルムに焼き付けてきた。
いやほんとにいいもん見せてもらいました。
あとね、今回の取材のカメラマンが
ものすごい素晴しい職人だった。
金谷さん。
おない年です。
でも、ボクと違ってムダ口たたかず、
黙々と正確無比に仕事をこなす。
ファンイダー越しに現実を切り取るのが
彼の仕事なわけで、そこには色に対する
とても真摯な感覚が必要なわけで、
取材の合間の何気ない会話のやりとりで
ふと彼の口から出る光と色に関する話は、
とっても的確で、わかりやすくて、
常に「そうだよね!そうだよね!」
と思うことばかりだった。
染めと映像って、全然違うジャンルだけど、
少なくとも、色と光に関するスケールは、
同じものを持ってるんだな、
と思った。
金谷さんとかを対象にドキュメンタリー撮ったら
すごい面白いのに、って思った。
ほんといろいろ勉強になりました。
たぶん、今回の番組のおかげで
とても多くの人たちが
ウチの工房の存在を知ってくれた。
番組が紹介してくれた、手染メ屋に対する
過分なイメージと一緒に。
あ、いやいや、僕らにはそれが過分か相応かは
わかんない。
今まで通り、自己矛盾が起こらないように
やっていく。そんだけだ。
猩々緋もまだ結局染め上げられてない。
ちょっとまたあれからいくつか試したいことは
出てきたんだけどね。
でも、染め上げられてない色目は
猩々緋だけじゃない。
ごまんとあるんだな、これが・・。
まだまだ精進が必要でございます。
一生わかんないんだろうし、これって。
今回の番組制作に関わってくださった全ての皆様、
本当にありがとうございました。
そして番組をご覧になってウチのことを知って
頂いた皆様、もしよろしければ今後とも
手染メ屋を宜しくお願い致します。
更に
番組以前からお付き合い下さっている皆様、
今後とも宜しくお願い致します。
ま、とにかく変わらず頑張りますです。はい♪