tezomeya ブログ
麹塵染めワークショップの報告
ちょっと前になりますが、
先月の最終土曜日、29日の伝統色のワークショップ
第三回を行いました。
今回は麹塵染め。
いつもそうですが、今回もかなり
おこがましいワークショップです。
麹塵色、またの名を「青白橡(あおしろのつるばみ)」
というこの色。
天皇のみが着用できる禁色(きんじき)のひとつでして、
良く話題に出す「延喜式」によると、
当時の生地を一反染めるのに刈安を約60kg(!)と
紫根を約4kgを使って染めた色だそうです。
60kgですよ、60kg! しかもおそらく乾燥状態で!!
刈安って、ススキに似た植物で、この植物を乾燥で60kg
も集めたら、たぶん大き目の押入れが五つ六つ満杯です。
一回に1~1.5kgくらいしか炊き出しできないだろうから、
最低でも40回以上は染めてる計算になります。
恐ろしいです・・・。
もちろん、ワークショップではそんなことできません。
なので、かなり、かなぁ~~~~り量と手間を省いての
麹塵色染めでございます。
サイトでも申してますが、麹塵モドキでございます。
この麹塵、光源で色がころころ変わる面白い色でして、
蛍光灯と白熱電球、太陽光と部屋の中のほのかな明かり、
そういう明かりの違いで、色がベージュから緑まで
変幻自在なんです。
麹塵モドキで色の変化が見られるかどうかが
今回の話題でした。
皆さんと一緒にまず刈安を炊き出して、それで黄色に染めて、
で、紫根を揉みだして色を出して、最後にちょっとズルを
してアルコール抽出をして、しっかり紫根の色を取り出します。
・・・って、すみません、画像がありません・・・。
今回もしゃべるのに夢中で画像撮るの忘れました・・。
ホントすみませんm(__)m。
で、黄色に染めた後に紫で染めて、今回は椿の灰で媒染して。
で、出来上がりがこれ!(かなりすっ飛ばし・・)
えっとですね、画像ではわかりにくいんですが、
かなりちゃんと緑味になりまして、しかも、
外の太陽光と部屋の中の白色電球では色がかなり違いました!
お手軽なモドキでもコレだけ色が違うんだったら
本物の麹塵ってどんなことになってるんだろう!!
と皆さんで楽しい想像をしながらワークショップを終えたのでした。
ところで、本物の麹塵を見ることができるのご存知ですか?
奈良の「自然の布館 もちいどの店」
の二階にある「雨城館」というところで、
前田雨城先生が染められた麹塵の反物が
交替で展示されています。
ここでは、前田先生が染めた反物が他にも見学できます。
本当にすごいです。
ボクはこの先生の色を見てこの仕事を始めた、といっても
過言ではありません。
前田先生が染める色目は、もう、「すごい」としか
ボクは形容することができません。
ご興味がおありの方は是非足をお運びくださいませ!
当工房の伝統色のワークショップは隔月を
基本として開催しております。
次回は6月26日に黄櫨染の染めを行います。
もちろんこちらもモドキですが(笑)。
ご興味おありの方は是非こちらまで!