tezomeya ブログ
やりがたけにのぼる(これもだいぶ前)
8月の夏休みに北アルプスに行った。
上高地までバスで行って、梓川沿いに歩いて
穂高連峰をぐるっと回りこんで、
槍ヶ岳に登ってきた。
今から5~6万年前の氷河のなごりで、
このあたりはとっても立派なU字谷。
そのなだらかな斜面のところどころに、
夏の暑い盛りなのにこのあたりはまだまだ
雪渓が残ってたりする。
森林限界は過ぎてて、すごい澄んだ見晴らし。
ありていな表現だけど、日本じゃないみたい。
子供連れってこともあって
(でも子どものほうが体力あるけど)
途中1泊して、槍ヶ岳登頂。
槍ヶ岳の頂上って、ホント狭いの。
頂上までの最後の50mはホントにガケだし。
遠くから見ても、登ってみても、
槍ヶ岳の槍ヶ岳たる所以が良く良くわかりました。
頂上に上ったときは完全にガスってて全然見晴らし
良くなかったんだけど、頂上に登らなくても
もうこのあたりはどこに居てもどこを見ても
ホントすごい景色。
これは2泊目のヒュッテ大槍からの朝の景色。
サンタナのMOONFLOWERのジャケットばりに
むちゃくちゃカッコいい雲海だった。
山に登ると、いっつも思う。
ここに来ないと見れない絵があるから、くるんだよ。
京都から深夜バスにのって、眠たい目こすりながら
10時間以上も歩いて、筋肉痛に耐えながら
10kg以上ある山行バッグ担いで、
一泊9000円もするのに
シャワーもないところに泊まって。
金払って辛い思いして、
なんでこんなことしてるんだろ、
って考えちゃうんだけど、
ここに来て、ここにしかない絵を見て、
思うんだ。いっつも。
すげぇな。って。
たぶん、ここの岩や雪渓や草花は、ずっとずっと昔から
僕ら人間がやっと火を使って料理や染色を始めたくらいから
何も変わらずここにあって、
ローマがヨーロッパを征服しようが、キリストが生まれようが、
蒸気機関が発明されようが、薩長同盟が結ばれようが、
第二次世界大戦が起ころうが、
そんなの全然関係なく、ここにあって、
ボクが生まれようが、
ボクがいい色出そうが、
染めが失敗してTシャツ100枚ダメになろうが、
そんなことはどうでもよく、ここにあって、
ここに来た人にすばらしい景色をみせてるだけ。
カメラマンの村川荘兵衛さんが言ってたけど
すごい情景見つけたらカメラなんか撮らずに二つの肉眼で見てください!
って。
ほんと、そう思う。
プロのカメラマンでさえ、そう思うんだから。
アンセルアダムスの素晴しい写真集より
ディスカバリーチャンネルのむちゃくちゃ綺麗なハイビジョン映像より
数百倍すげぇ。
思わず手を合わせてしまいました。今回も。
日本人だなぁ。
で、疲れ切ったカラダに鞭打って1日かけて降りて
松本で風呂はいって、回転寿司たらふく食べて
また深夜バスで帰ってきましたとさ。
ありがとう。山の神様。
また来年も来ますね。