tezomeya ブログ
韓紅色染めワークショップ
29日(土)は半年振りの「伝統色のワークショップ」。
忙しくてしばらくお休みしてたイベントワークショップ
だったけど、募集後結構すぐに定員になった。
皆さん、いつもお申込み下さり
本当にありがとうございますm(__)m。
今回は韓紅色染め。
山形の紅餅をふんだんに使って絹ストールを染める。
たった4時間でどこまで本物に近づけられるか。
それが今回の目的。
画像を追って段取り説明します。
先ずは紅餅を不織布に入れて、洗濯機で
15分ほど水洗いをした後に
炭酸カリウムを溶かしたインスタント灰汁に
入れてモミモミする。
5分くらい揉んで色を出したら15分ほど
そのまま浸け置き。
その後また揉んで、液をストック。
この作業を2セットして、染める液を作ります。
その液に脱脂綿をおもむろに放り込む。
で、火をかけて40度前後に液温を保ちながら
(これ、すごく大事)
クエン酸の液を少しずつ入れながら脱脂綿を
染めていく。
完全に中和するまでクエン酸を入れつつ
かき混ぜながら40分染めるとこんな感じに。
染まった脱脂綿を水洗いすると、
こんなどピンクに染まります。
そして、この脱脂綿をまたインスタント灰汁に
浸して、色を溶出させる。
モミモミ脱脂綿を揉んで色を出して、
脱脂綿を搾り取る。
色が抜かれた脱脂綿はこんな感じになります。
脱脂綿さん、ご苦労様でした。
そして完成した染液にやっと主役の絹ストールを入れて
さっきと同じように火にかけて40度前後に温度を
保ちながら染めます。
このときも脱脂綿を染めたのと同じように
クエン酸を少しずつ入れながら中和に
近づつつ染める。
すると、こんな色になっていきます。
で、最後は水洗いして、出来上がり!
約4.5時間。予定より少し時間オーバーでしたけど
皆さんすんごい色に染まりました。
脱脂綿を使うのはウチの工房では良くやることで、
紅花の黄色素はセルロースに染まらないことを
利用した、赤色素だけを抽出する方法です。
これ、ちゃんと927年編纂の延喜式にも書いてある。
今回工夫したのは温度をかけること。
一般的には紅花染めは温度をかけてはいけないことに
なってるけど、これは赤色素が50~60度で
こわれちゃうから。
でも、ソレより低かったら大丈夫なわけで、
しっかり黄色を抜き取る手法があれば、
ギリギリまで温度を上げる方が染色的には
有利なわけです。
短時間で最大の効果を得るには、これかな、と。
ちなみに今回使った紅餅の分量は重さで
絹ストールの6倍量。
大盤振る舞いでした。
でも、もちろん同量を冷水で染めるより格段に
濃く入りました。
まだまだ工夫が必要だけど、ま、半日の作業にしては
かなりいい感じだったかな、と。
皆さん、お疲れ様でした!
また来月もイベントしますね!よろしくですm(__)m。