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ゴルドベルク変奏曲

すみません、だいぶさぼってましたm(__)m。

久方ぶりのブロギングは、例のごとく染メと全然関係ない話題。

とっても音楽好きのYさんが染め体験に来て下って、で、いろんなジャンルにとてもお詳しくて体験そっちのけでずっと音楽談義してたんだけど、

お互いのおすすめCD合戦になってその中の1枚が、今日のネタ。

セルゲイ・シェプキンのゴルドベルク変奏曲

このピアニストの名前は聞いたことがあったんだけどもともとクラシックは門外漢なので音源は全くのノーチェック。Yさんにゴルドベルク変奏曲の録音をしてる、と教えてもらって早速購入した。

で、聴いた。

まず、全部聴いての第一印象が

「長いっ!!」です。

クラシックファンの皆さん、すみませんm(__)m。そんな低レベルなインプレッションで・・・。

でも、ほら、ゴルドベルクといえばやっぱ基本は1955年録音のグレン・グールドじゃないすか。あれ、40分ないよね。

でも、このセルゲイ・シェプキンのゴルドベルクは71分!

おんなじ変奏曲をやってるとは思えないその長大さ。

グールドのそれとはタイム感が全然違うのであたりまえだけど、リピート部分がやたら多い。

でも、これ後で知ったんだけど、ホントはシェプキンのゴルドベルグの方が楽譜通りでグールドがだいぶリピート部分を端折ってるから1955年のグールド演奏はむちゃくちゃみぢかいらしい。

ま、時間のことはさておき、シェプキンのゴルドベルクはあたりまえだけどいろいろなところでグールドとは全く違う。

まず、装飾と即興のリフ(って言っていいの?クラシックでも)が多い。トリルの部分でも、グールドの1.5倍くらい音数多いし、タメやサステインをだいぶ効かせてるし、したがって音圧に厚みがましてるわけ。

これ、聴きはじめた最初は正直抵抗があった。

だって、ほら、さっきも言ったけど僕らクラシックに素人な人間はゴルドベルクと言えば1955グールドだから。

でも、聴いてるうちにこれが心地よくなるわけです。グールドの演奏とは明らかに違う、重音の響きがいい感じ。

たとえて言うなら、上品な純白のレースが幾重にも重なっている無垢なウェディングドレスみたいな感じ。

この人の音色も全然グールドとは違う同じスタインウェイ弾きとは思えない。

一音一音の粒色がそろっているのがグールドなら、シェプキンは上品なビーズのネックレスみたいなもんか。

ま、たぶんお互いスタインウェイの中でも自分の1台を苦労して選んでるんだろうけど。グールドの白黒の記録映画でもそんな一節がありましたね。

シェプキンの演奏を聴いた後に、やっぱり聴きたくなって1955年のグールドを聴いた。

そして、その後個人的には1955年よりも好きな1981年録音のグールドのゴルドベルクも聴いた。

いやぁ、やっぱりいいな。

そして、3枚聴き比べて、これはなんて幸せなひとときなんだろう、と思いました。

あのね、3枚聴いて改めて気付いたのが、バッハのゴルドベルグ変奏曲はバロック音楽だったんだよな、ってこと。

バロック音楽の重厚さ、過剰といえる装飾性、そしてその重厚さと装飾性をすこし歪んで出力するひねり具合。この重厚性とか装飾性を一番しっかり伝えてるのはシェプキンの演奏だと思った。少なくともこの3枚の中では。

いうなれば、

・1955年のグールド録音: 最高のクリームチーズを使ったレアチーズケーキ

・1981年のグールド録音: そのレアチーズケーキを作り続けた技術の粋を集めて作ったベイクドチーズケーキ

・2008年のシェプキン録音: ちゃんと酸っぱいイチゴを使ってちゃんと甘い生クリームを使った王道ショートケーキ

なんだ!

と思った。

すんません、たぶんに個人的嗜好が入っております。

で、調べたらゴルドベルクってホントたくさんの人が録音してるのね。

コツコツ集めて聴き比べしよっと。

しかし、バッハっていいよな。
この予定調和の心地よさ。

ついでに買ったセルゲイ・シェプキンのパルティータも素晴らしいです。

Y先生、ありがとうございました!
またいろいろ教えてくださいね!!

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