tezomeya ブログ
本当に無駄なお話 ~『インターステラー』を観ての科学考証的壱考察
※おことわり※
何人かの方にご指摘いただいた通り、本テキストの科学考証は間違っております。
本来ならばカー解を使用しなければいけない所、シュバルツシルト解で計算しております。しかもその計算も間違えている可能性もございます。
素人の勇み足で申し訳ありません。
その点を御含み頂き、もしよろしければご覧ください。
2019年正月 管理人 青木正明
ずっと気になってた映画、『インターステラー』をやっと観た。
一昨年からずっと気になっていながら忙しくて映画館に足を運べず、その後もdvd借りたりする機会がなくてやっと今日の昼に視聴した。比較的長い映画なので、時間が取れる日を探して、だ。
感想としては、まぁ、面白かった。
ただ、正直言って結構残念だった。
この映画をことのほか楽しみにしていたのは、前評判として科学的背景がとてもしっかりしていて、特に相対性理論を駆使した話というふれこみだったからだ。クリストファーノーラン監督の映画が特段好きという訳ではないが(メメントは結構好きだった)、最近珍しいハードコア系SF映画ということで、例えばグレッグ・イーガン(オーストラリアの超ハードコアSF作家)バリのゴリゴリのSFネタを期待していたのだが、そうではなかった。
確かに、“特異点”とか“事象の地平面”とか、相対性理論で使用される用語が正しく(って素人の当方レベルの判断だが)使用されていたし、映像もなんかそれっぽかった(大質量ブラックホールのエルゴ球の表現とか)。
だけど、愛の力は時空を超えるとかの話がメインテーマになってしまったりとか、重力にかかわる方程式が解けてないのに解けてるふりを40年もしてたりとか、さらに事象の地平面での量子データが得られて(それもモールスで!)すぐに新たな重力方程式ができて重いもん飛ばせるようになるとか、説明なく短絡的過ぎてわけがわからない。
ハリウッド映画特有の「こまけぇところはいいんだよっ!」的なところがやっぱりこの映画にもあって、とても残念だった。
いや決してヒューマンドラマが嫌いなわけでもなんでもない。そもそも、SFってのは、作者が自由に世界観を作りたいがための空想世界なわけで、そこに完全なる整合性がないといけないわけでないということは当方も理解しているつもりだ。
ただ、この映画の前評判が、「科学的背景がとてもしっかりしている」「著名な理論物理学者が科学側面のコンサルタントを全面的に請け負った!」なんていうもんだったからそのあたりものすごい期待してたんだけど、そこにとてもがっかりしただけだ。
ごはんで例えるなら、すごい本格的なインド宮廷料理屋さんって触れ込み聞いて行ってみたら、スパイスたくさん使ってるらしいけど全然それがわからないフツーに美味しいココ壱カレーみたいのが出されていやそれも嫌いじゃないけどなんだかなぁ、、みたいな。
そんな、有名な科学者がバックについた映像なんていわれたら、僕らの世代はもう「COSMOS」とかを連想しちゃうじゃないですか。期待しちゃいますよねぇ。
さっきも挙げた通りいくつか気になる点はあったのだが、特にあれ?って思ったところは、最初に着陸する惑星の話。
大質量ブラックホールを太陽とする惑星で、ブラックホールのあまりの重力のために時間の進み方が遅すぎる、というところ。
水に満たされた、地球とほぼ同じ大きさ(この惑星の重力が地球の1.3倍っていうセリフがあったので)の惑星の1時間が、地球のなんと7年になるというのだ。 ほんとにそんなことがありうるのか。観てて直感的におかしいだろと思ったんだけど、それをこれから検証しようかな、と。
・・・というわけで、さぁこれからただの暇つぶしのはじまりはじまり。ものっすごいお暇な方、もしよろしければどうぞお付き合いください。
※ご注意※
このあたりから間違った解釈をしております。
ワームホールを経由して地球外惑星を探しに行った宇宙探検飛行士たちはまずこの、海に満たされた地球よりほんの少しだけ大きい惑星にたどり着く。
この惑星の時間の進み方は極めて遅い。さっきも言ったとおり太陽であるブラックホールがあまりに重くあまりに近いところを回っているため、その強力な重力のせいで、この星の1時間が地球の7年に匹敵すると映画の中で科学者の飛行士が説明し、惑星に向かう前に皆は無駄な時間をすごしてはいけないと気を引き締めるのだ。
アインシュタインが1915年に発表した一般相対性理論によると、重力の強いところでは重力の弱いところに比べて時間が遅く進む。これは本当で実生活にも応用されています。例えば、地表にいる私たちとはるか上空を飛んでいる人工衛星では時間の進み方が違う。地球からの重力が地表の私たちより弱い人工衛星のほうが少しだけ早く時間が進むために、人工衛星に乗せている時計はわざと少しだけ遅く進む設定をしている。
そして、時間がどの程度遅くなるかという計算は、アインシュタインがだしたアインシュタインの重力方程式というもので計算できる。
こんな式です。
当方はこの式の意味がさっぱりわかりません。
でも、これをもっとわかりやすい形にしてくれたシュヴァルツシルトさんっていうドイツ人がいらっしゃいまして、この人の式だとちょっとわかりやすくなる。いわゆるシュヴァルツシルト解っていうんだけど、こんなの。
これを使って、はたしてそんな太陽系が存在するのか計算してみた。
・・・・・ややこしい途中の式は省きます。こんな感じ。酒とチョコにお手伝いしてもらってちまちま計算しました。
で、出たのが、こんなに進む時間が遅くなるためには、この惑星はブラックホールの半径の本当にすれっすれを回っていないといけなくて、それは、ブラックホールの半径の1.00000000029倍が公転半径になる、ってことになりました。
これ、もしブラックホールが私たちの太陽と同じ半径だったとしたら、太陽の表面から20cmのところを回ってる星ってことになります。ありえないね。もう。でも宇宙では何が起こるかわからんのでまだまだ計算します。
このブラックホールの半径の0.00000000029倍が、惑星の半径より大きかったらありえるよね。
ここで念のために補足します。物理で言うところの物体同士の距離というのはお互いの重心からの距離です。なので、2つの物体の距離が2つの物体の大きさよりも小さいというのは、どちらかにめりこんでるということ。だから、物体がふたつとも球であれば、それぞれの半径の足し算以上の距離がないとだめということです。
今から計算しようとするのは、惑星の地表とブラックホールの表面(これが事象の地表面ってやつですが)が本当にすれっすれで回る状況を想定しているわけです。
で、映画の中でこの惑星は重力が1.3倍っていってたので、この惑星が地球と同じように地殻型惑星として(すなわち密度が地球と同じと考えて)ニュートンの方程式から計算するとこの惑星の半径は約7100km。
ということは、さっきの数で割ると、このブラックホールの半径はなんと24兆km。これは約2.5光年です。もちろん私たちの太陽系の半径なんて優に超えてます。そしてこのブラックホールの質量もさっきのシュヴァルツシルト解から計算すると約1.7×10の43乗kg。これはざっくり太陽の10兆倍の重さで、私たちが住む銀河系の全質量より重いです。
私たちの銀河系のようにちゃんとした銀河や星雲の中心には、とてつもなく大きいブラックホールがどうもあるらしいので、とんでもないブラックホールがあってもおかしくないかもだけど、今知られてる限りで一番大きい超大質量ブラックホールが太陽の約180億倍。映画のブラックホールはこれのさらに500倍以上です。
うーん、もうしわけないけど、やっぱり直感あたってたっぽい。ありえないかなぁ。
しかもしかも、この星に降り立った飛行士たちはなんだかんだ惑星でひと悶着あって4時間ほど過ごしてしまう。で、命からがら惑星を脱出した後は、外で待っていた母船にさっくりと戻る。戻ってみると、そこで待ってたクルーが「もう、まちわびたよ・・」なんて二十数年待って白髪混じりの頭になってた。すなわち、この母船はブラックホールからはるか離れた重力の弱いところで待ってたことになってて、その距離を計算してみると、少なくともこの惑星からさらに何十光年も離れてないといけないんだわ(ざっくりなのは、母船のクルーが待ってた年数がざっくりなので)。
すくなくとも彼らの宇宙船は光速の何パーセントとかでは飛べない(地球から土星に行くまで2年かかってる)ので、何十光年なんていう距離を“さっくり”戻ることは不可能。ここもおかしい。
うーん、やっぱり、ありえないなぁ。
グレッグイーガンや昔のアーサーCクラークさんの話だったらこの当たりもう少しちゃんとしてると思うんだけどなぁ。。
残念だなぁ・・・・。
・・・と、ただの重箱の隅突っつきネタでした。
でも、よく考えてみたら、こんな長ったらしいブログを書く動機を与えてくれたのはこの映画なわけで、そういう意味では、なかなか素晴らしい刺激だったのでしょう。これだけでも観た価値があったのかも。
お付き合いくださりありがとうございました(って付き合ってくれた人いたんだろうか・・・)
嫌な奴だなあw
こういう人がいるから、科学は前進するともいえるけど
そこから後退するともいえる。
書き込みありがとうございます。
本当に重箱の隅の話ばかりですみません。
科学の後進の一助にならないように以降も気を付けます。
いや、そんなことないと思います。
映画は私も好きで観てますが、ここで表現されている内容について厳密な数式検証を用いた科学的見地から見たときどれくらいのズレがあるのか、を知って笑うのはとてもウィットの効いた話だと思います。
なによりこの映画を作った方々も、それを監修した科学者の方々も興味を持つ面白検証なのではないでしょうか。重箱の隅とは全く思わないですよ。むしろど真ん中です。
私としては、5次元の世界から覗いた3次元の世界(マーフの部屋の積み重なり)に向かって果たして力任せにぶったたけば情報は伝えることが出来るのか?が知りたいですね。
またそれがどうして本棚の裏で、ベッドの裏でなかったのか?(笑)
書き込みありがとうございます。
ど真ん中と伺い安心しておりますが、ただ、物理学に関して当方は全くの素人なため検証がどこまで正しいアプローチなのかもかなり危ういです。。
“ナンチャッテ科学考証”程度にお取り上げ頂ければ当方も気が楽ですww
確かに、力任せに裏から本棚ぶっ叩いたらびっくりしたのかもしれませんね。
面白かったです
今久々に見て色々解説をしてもらいたい気分で
クーパーのステーションからコロニーには辿り着けたんでしょうかね
コメントありがとうございます!
こんなどーでもよい話を読んで頂いただけで本当にありがたいです。
クーパー、着いたんでしょうね、たぶん。アメリカ映画ですから。
ブラックホールの重力プラス、ミラーの星の銀河が、地球の銀河に対してめっちゃ速いスピードで動いてるから!とかはどうですか?
書き込みありがとうございます。
なるほどです!
時間差は母船とミラーの星との間のもので母船が地球に戻っているわけではないので、ミラーの星(を含む銀河)と地球の相対速度は考えなくても良いような気がします。
ですが、母船からミラーの星に行って帰ってくるときに、両者の距離はかなり離れてそうなので、相対的に母船が静止しているとみてそこからミラーへ旅をして帰ってくるということになるのでいわゆる浦島効果による時間差も加味した方が良いですね。
それ、考えてませんでした。ありがとうございます!ただ、計算ややこしそうなのでもうやりませんが(笑)。
とりあえず友達いなさそう
書き込みとご心配ありがとうございます。
御察しの通りあまりいないです・・・。
7年という時間とか、細かい数値の「計算があってるか」って検証をして、計算があっていないからといってそれを「ツッコミどころありで残念」と言っちゃうのは流石に本質とかけ離れてる気がする
SF映画の科学的検証ってのは事象があり得るかありえないか、くらいで良くて、数値の厳密性を計算で求めるなんてことはさすがに重箱。ブラックホール周辺での物理運動を地球上の物理運動だけを説明できる物理の計算式なんかで計算できるはずもなく。
書き込みありがとうございます
おっしゃる通り重箱の隅をつつきまくっているお話しです。お時間の無駄でした本当に申し訳ありませんでしたm(__)m
このブログは全てどの部位も重箱の隅ですし、映画の本質とは離れていると思います。
ただ、そもそも、この映画を見た時にちょっと違和感を感じたところがいくつもあって、それがなんなのか、という個人的な検証でした。
その一つが、第一の惑星の事です。他にもいくつかあった気がしたのですが観たのが数年前の為失念してしまいました。。すみません。
簡単に言えば、「この映画、なんかふわっとしててあんまりおもしろく無かった・・・」ということなんですハイ。
例えば2016年のオデッセイとか昨年のメッセージとかにはこんな“ふわっとした”感じを受けませんでした。この差はなんなのかなぁ、と。
あくまで個人的な感じなので、ご共感頂く必要もないのですが。。
長文失礼しました。
昨日見ました。
私はとても面白く見れたのですが、確かに宣伝文句だった
「緻密な科学考証」については少し肩透かしを食らったという感想です。
事前に想像していたよりもはるかにエンターテイメント的、ハリウッド的でしたね。
ブログ主さんの第一の惑星への突っ込みは本当に重箱の隅ですねw
私は「そんなにブラックホールに近い惑星に移住なんか考えねーよ」と声を大にして言いたい。
まして候補が他に2つもあるのに何故、あえてそこなのかと。
失敗したら数十年数百年過ぎてしまうのがわかっているのに、
最初にそのリスクを冒す意味がわかりませんでしたね。
書き込みありがとうございます。
おっしゃるとおり、
「第一の惑星は、そもそもわざわざ選ばないよ!」
というのがストレートなつっこみですね。
重箱ばっかり見てて大きな見方を見ることが出来てませんでしたww
ご指摘ありがとうございました。
SF、考証、で検索するとインターステラー結構出てきますよね。
賛否両論ですが、自分は楽しめませんでした。
文系学部の出身なので難しい数式なんかは分からないんですが、軌道上で高度を回復するために、エンジンを地表に向けて吹かせるシーン等
が受け付けませんでした。
さすがにコレは観客に分かりやすいよう、わざとそうしたのだとは思いますが、SFってんなら拘って欲しかったです。
科学考証に拘っても、興業収入には繋がらんのですかね。
つp様
コメント頂きありがとうございます!
映画を見たのがだいぶ以前って言うのもあるのかもしれないのですが、当方は記憶に残ってませんでした。。すみません。
そうなのですね。そんなシーンがあったのですね。
でも、なんか、いろいろ細かいところはありそうですよね。
科学考証にこだわってもこだわらなくても、興行収入にはあまり関係ないのかもしれないですけど、科学考証バッチリ!って言うふれこみをするのであれば、もうすこしなぁ、と思う訳ですよね^_^;
作中のブラックホールは高速回転してるのでシュヴァルツシルト解は使えないよ。カー解で計算しないと。それで計算すればブラックホールすれすれでも存在できる惑星がいくつか出てくる。
詳しくはここ参照
https://relativitydigest.com/2014/11/07/on-the-science-of-interstellar/
ななし様
書き込みありがとうございます。
参照先ざっと拝見しまして、少なくとも当方の科学考証は間違っていることが良く分かりました。
すみません、不勉強でカー解と言うものをちゃんと理解してませんでした・・・。
そして、参照先を見るとシュバルツシルト解から導き出される惑星軌道もブラックホール半径の3倍とのことで、当方が計算間違いしていそうだということもわかりましたorz
やはり、素人の門外漢が偉そうに言うべきではないですね。
ちょっと考えた後にこのページは閉鎖しようと思います。
意外とアクセス数が多いので、間違った情報を与える基になってしまいますし。
ご指摘ありがとうございました。
2年以上前のブログに返信するのも何ですが、最近Netflixで見たもので。
すっごい同意したいですね。こういうのを読みたかったです。
「1時間で7年間も時間が遅れるってことは惑星にはすごい重力がかかってるのか。いったいどんな映像になるんだろう!」
とワクテカしてたら以外と普通の惑星で、体感重力1.3倍とか言われて
^^;
となってしまいました。
8/9のななしさんの書き込みでカー解ならおかしくはない、ということが分かって個人的には良かったです。
別に削除しなくても補足を付け加えておけばいいんじゃないでしょうか?
かんたた様
コメントありがとうございます。
実は当方もカー解のコメントを頂いてから2年ぶりに再度観ました。
以前よりは、偏見なく見ることが出来て、以前と同様映画としては普通に面白いSFだな、とは思いました。
ただ、やはり映像の中には、カー・ブラックホールであるという確証を持てる表現はなかったのですが、クリストファーノーランとキップソーンが対談でミラーの惑星の太陽はカー・ブラックホールですとおっしゃっておられるという記述を見たので、そういうことなのでしょう。
カー解では可能、というのを見てから削除もしくは訂正しなければいけない所、本業とは全くかけ離れた内容であるため作業が後回しになってしまい大変失礼しております。
お言葉に甘えまして、当方も、訂正・注釈を加筆の上、このまま掲載させて頂こうと思っております。
いずれにせよ、こんなに長い重箱の隅なテキストをご覧くださりありがとうございました!
頭の良い人達のおかけで右からも左からも上や下から考える事ができてとても面白かったです☺ありがとうございます。
書き込みありがとうございます。
ご覧くださり、そして面白いとおっしゃってくださり光栄です。
ただ、まだ注釈訂正ができていなくてすみません。
できるだけ早く対応致しますですm(__)m
映画をより楽しめるブログで感謝です。科学的な考察も必要です。
エンターテイメントだけでは、
私自身は面白くないと思っている人間です。(笑)
人類の未来がこの映画や他のSFのような世界になるのか確かめる術もありませんが、見れるものなら見てみたいですね。^_^
書き込みありがとうございます。
とても光栄なお言葉を頂きこちらこそ感謝と恐縮の気持ちでいっぱいでございます。
まだ訂正が出来ておらず申し訳ありません。
未来の世界、もちろん当方も見てみたいのですが、今見るとその後の人生がつまらないものになってしまう可能性も高そうなので、死ぬ間際に未来をちらっと覗く、というのが自分の理想です。無理ですがww
映画に対する感想は人それぞれですから。
理系の方のツッコミは文系人間にとって刮目させられます。
色々意見はあると思いますが。
ももんが様
書き込みありがとうございます。
そしてこんな長いのを読んで下さり恐縮です。
当方は理系と言ってもただの染め屋ですので本職では無い訳でして、本職で物理屋さんをやってらっしゃる方から見ると当方も文系さんと同じくくりなのだろうと思います^_^;
『インターステラ』の科学的な監修は重力波でノーベル物理学賞を受賞したキップソーン博士です.相対性理論に基づいた計算を厳密に行い,コンピュータグラフィックスで映像化してます.
用いているモデルは超巨大で高速自転しているブラックホールです.
シュワルツシルト解ではなく,カー解が使われてます.
高速自転するブラックホールの周りの時空は引きずられます.エルゴ領域という空間が発生し,そこでは光さえブラックホールに真っすぐ落ちることができないのです.また安定公転軌道も事象面近くに存在します.そのためシュワルツシルト解ではあり得ないような近距離を光速で公転することが可能になるのです.
映像化に関するレポートは…
http://iopscience.iop.org/article/10.1088/0264-9381/32/6/065001
ご指摘ありがとうございます。
映画を見た時はもちろんキップ・ソーンということも知っていたので、なんでだろうなんて思ってたのですが、こちらがなんでだろうですよね・・。
5か月ほど前にも同様のご指摘を頂いておりました。
訂正しようと思いながら本職でバタバタしており放置状態でした。
申し訳ありません。
ただ、自分はカー解のちゃんとした理解と応用が出来ないので、ブログ自体を訂正することができません。
間違っている旨申告してこのままにさせて頂こうと思います。
当方理系ではありませんが、私も執筆者様と同じ違和感を終始感じて、あまり映画に没頭できませんでした。
無学な人たちはすぐに「楽しんだもの勝ち」「嫌な奴だ、友達いなさそう」などと
疑問を見て見ぬふりし(疑問を感じる知性すらないのかもしれませんが)、批判や考証を行うこと自体を不快だとして認めず、足りない頭で自己正当化のために、感情的かつ反知性主義・快楽主義的な中傷や人格否定を行いますが、
少なくとも義務教育レベルの最低限の科学教育を受けたまともな人間には、なにか腑に落ちないものを感じさせる作品であったと思います。
創作物において理論は後からいくらでもこじつけ可能です。
ですのでカー・ブラックホール云々という科学的こじつけはハッキリ言っていくらでも可能です。
科学的に正しいかどうか、そこは問題ではありません。
作品において重要なのは作品自体の説得力です。
この作品は科学面での”正しさ”ではなく、科学面での”説得力”に欠けていると思いました。
ですからこのように違和感の回答を探してこの記事を執筆するあなたや、この記事に辿り着く私のような人間が多いのです。
コメント欄での反駁も含め、有意義な記事をありがとうございました。
コメントありがとうございます。
ご同情下さり恐縮です。
ただ、やはり、当方の知識不足による勘違いであることは間違いない訳でして、ここは訂正しないといけないと思い、さきほどやっとお断りを本文に入れました。
おっしゃる通り、この映画は義務教育レベルの水準を間違いなく超えていると思います。
ただ、カー解と同じように義務教育では習わない特殊相対性理論は何となく理解できている自分が、単にその先まで行けていなかっただけのことでして、自分の知識不足を棚に上げて文句を言っている状況だった、と深く反省しております。
おもしろいことに海外でも当方と同じようにシュバルツシルト解で計算して「おかしいだろ!」と文句を言っていて、本物の物理屋さんにたしなめられているブログがありました。
この映画、そのあたりのはざまで難しいテーマだったのでしょう。
間違いなく一つ言えることは、「自分の知識が足りないんじゃないか」ということを疑う前に、「キップソーン、甘いんじゃないの?」という、とんでもなくはずかしい勘違いを犯していたところです。
ここは伏してお詫び申し上げます。
最初の星に降りたった着陸船がブースターも使わずに大気圏を離脱したところで違和感を感じてしまいました。
コメント下さりありがとうございます。
ちいさくて高性能な着陸船ならなんとか離脱できるのでしょうか、ね。。
同じところ疑問に感じてました。
地球の重力圏を離脱するためにロケットを用いる程度の科学力なのに乗っかってる宇宙船が高性能すぎないか?と
かきこみありがとうございます!
高性能すぎるんですよね。。でも、そのあたりもキップソーン博士が何とかして下さっているのだろうと思います。
カー・ブラックホールの近傍であれば「1時間が、地球の7年」になる空間が存在することが物理学的に正しいとしても、その空間に惑星が存在しうるかは別の問題です。
映画で描かれたような惑星がカー・ブラックホールの近傍で存在しえないのであれば、やはりあの描写はおかしいのでしょう。
コメント下さりありがとうございます。
確かに、普通に想像すると、カー・ブラックホールの近傍がハビタブルゾーンとは思えなさそうですね。
でも、宇宙には何があってどんなことが起こるかわからないので、はい。
いずれにせよ、話題満載な映画であることは間違いないですよね【^^】
この記事によってインターステラーがいかに素晴らしい映画かが分かった。そして非科学的な人間の愚かさも。
かきこみありがとうございます。
当方の非科学的な疑似検証が少しでもお役にたてたのであれば幸いですm(__)m
地頭が悪い人間は、ネットで講釈を垂れるべきではない。ことの立証をしたのですか?
かきこみありがとうございます。
はい、おっしゃる通りです。地頭の悪い人間が世間様に迷惑をかけてしまった事例としてそのまま晒させて頂いておりますm(__)m
下衆い中傷コメントもいくつか付いてますが、僕は面白く読ませてもらいましたよ。理科の偏差値の低い奴には、この映画の随所に漂う違和感が分からないのでしょう。
大体、ミラーさんちの星は主星がブラックホールって時点で、燦々と日光が降り注いでいるはずもなく、代わりに原発事故どころではない放射線の嵐にさらされているはずで、鼻っから可住惑星の候補から外されるはず。色々突っ込みたくなる気持ち分かります。
それに、真っ平らで一面膝下水深の海も意味不明。
潮汐力で大波が日常という設定は分かるし、そのために浸食が進んで海底がかなり平らになることはあり得るかもしれないが、それにしても真っ平ら過ぎる。そこで、「やばい、引潮だ」との台詞があるが、それだけ条件が揃っている場での引潮なのに海底が露出しないで何故か膝下水深を保ってる?不自然極まりないんじゃないでしょうか?
そして、外界とは24×365×7倍もの時間のズレがある場所から、どうやってビーコンを拾ったのか???
ビーコンの波長は赤方偏移も真っ青の〔笑〕、6万倍にも引き伸ばされてしまい、予め想定してない限り受信は不可能なはず。仮にそこまで想定してたとしても、惑星に有機物があるとかの詳しい情報が地球に届くには、時間が全然足りなかったはずなのだが、何故かそれは不問と言う違和感。
コメントありがとうございます。
おもしろく読んで頂けたとのこと、嬉しいです。
ただ、偏差値と言う相対評価であればそれこそ当方の勘違いも物理屋さんから見れば相当ひくい偏差値と思うので、そこは何とも言えないですorz
海は当方もなんだかなぁ、と思ってました。
ただ、ビーコンは気づきませんでした。確かにそうですね。一般相対性理論で時間の伸びと距離の伸びがリニアなのかどうか知らないのですが(シュヴァルツシルト解では距離と時間は同次元なのでリニアなようですが)いずれにせよビーコンの波長はものすごい赤方偏移してますね。
ミラーの星のあたり、もう一度見てみようかな。
ありがとうございます。