tezomeya ブログ
tezomeyaのTシャツについて
手染メ屋のTシャツは素材チョイスから細部のデザイン、パターン、縫製加工まで全てオリジナルで作っております。もちろん日本国内で縫製しています(というか海外で縫製できるほどの量ではありませんので・・)。
たかがTシャツ、されどTシャツ。 例えばなんでもない白のボタンダウンシャツのような地味アイテムほど、ドンピシャお気に入りの1枚を探すのすごく苦労しますよね。Tシャツもそうだと思うのです。
だから、すべてはtezomeya店主とスタッフがひとつも妥協無しに作ったのが、tezomeyaのTシャツです。
好きなように出来上がったTシャツはシルエット、ミテクレ、着心地全ていい感じに上がってます。大雑把に言えば、巷のアメカジ系Tシャツとは違う、ジャストサイズでくちゅっとした感じ。でも、デフォルメされたデザインTシャツとも違います。あくまで定番型。
tezomeyaのTシャツについて、僭越ながらとことん解説させて頂きます!
1.素材は吊天竺、この風合いはtezomeyaだけ
吊天竺というのは、「吊(つり)編み機」という編機械で作る天竺です。この吊編み機というのがとっても貴重な機械。
吊編み機に関してはきっちりと説明差し上げたいので別に1ページ作りました。
どうぞこちらの「“吊り”とカネキチ工業さん」ページをご覧ください。
吊天竺はその機械の性質上とってもとってもゆっくり、そしてテンションを掛けずに編まれた生地です。そのおかげで、綿の糸が本来持っているふっくら感がそのまま生地に残ります。これは生地の嵩高(かさだか)感につながりますし、Tシャツになった後に使いつづけても普通の天竺に比べて素材の経時変化が少ないです。
普通のTシャツに比べて少しフックラしており、更に使っていてもヘタりが少ない、ということです。
そして、編まれている糸はオーガニックコットン糸。すなわち出来上がる生地は100%オーガニックコットンの天竺、となります。
「オーガニックコットン、はいはい、流行だよね」とモニターの向こうから声が聴こえそうですが、tezomeyaのオーガニックコットンは巷のそれとはちょっと違います。こちらの「オーガニックコットンのこと」ページで長々と説明致しておりますが、編むためのオーガニックコットン糸のチョイスをtezomeyaで行い、カネキチ工業さんで吊天竺に編んでもらって、おわり。それだけしか人の手がかかっていない素材です。どんな生地でも必ず通らなければいけない「湯通し」工程でさえも省いています。簡単に言いますと、何もされていない、本当に何も余計な手を加えられていない生地なんです。
- 草木の深い色合い
- コットン本来の素朴な風合い
- ふくらみ感とヘタりの少なさ
この3点が、私たちtezomeyaTシャツの特徴です。そして、この3つのどれ一つだけをとっても、巷にあるTシャツとは一線を画していると自負致しております。手前味噌な話で恐縮ですが、店主は個人的に、tezomeyaのTシャツは、世界で一番風合いが良いと思っています。
2.サイズ豊富で全9サイズ 染め無しも有り
サイズ展開 は・・・
85cm、100cm、115cm、130cm(以上キッズサイズ)、155cm、165cm、170cm、175cm、185cm
9サイズ(長袖は大人用の5サイズのみ)。全て身長設定でのサイズ名とさせて頂いております。
特に85cmと100cmはベビーにも対応しております。お子様から大人まで、是非一度吊オガTのよさを体感いただければと思います。
そして、染めていない「染め無し生成吊オーガニックTシャツ」もございます。
これ、簡単に言えば湯通しと石けんで洗濯をしただけのもの。染め屋が染めていないTシャツを売るのもなんですが、吊オーガニックTシャツの柔らかい風合いを一番楽しめるのはこの生成(きなり)です。本当に素晴しく肌に吸い付くように柔らかい風合い。
また、染めてるTシャツと違って値段もお求め安くなっております。お安いのでサイズや着心地、素材感のお試しにも最適。
是非一度お試しください。
3.ふっくら柔らか
画像をご覧ください。左が現在のtezomeyaTシャツ、右は2005年4月まで展開していた昔の私たちのTシャツです。
なにやら洗剤の宣伝のようになってしまっていますが、同じように重ねておいてみるとそのカサ高感がだいぶ違います。1枚あたりのTシャツの重さは現在のtezomeyaTシャツの方がすこし軽いのに、です!
これは糸や布の段階で余計な加工が入っていないから、そして、吊編み機でテンションを掛けずに編まれているから、です。
綿花が持っている本来の柔らかさをそのまま受け継いでいる。それが、私たちtezomeyaのTシャツです。
4.tezomeyaのTシャツは水を吸わない?
いえ、水を吸わない事自体がメリットではありません。
綿糸の元となる綿花の種にに生えているワタ毛。実はこのワタ毛、とても水をはじいてしまうのです。
天然の臘(ろう)分がついていて、中の種を雨風から守るのが理由らしいのですが、その臘分など不純物は工業染色をするには邪魔者。でも逆に天然染料にとってはその不純物がウェルカムなのです。
tezomeyaのTシャツは全く何もされていないのでこの蝋分がついたまま私たちの手元に届きます。
そして、工房で染めるか洗うかで仕上り。天然の蝋分も完全には取りきれず、素朴で優しい風合もそのままです。
「え、水を吸わない・・・? だめじゃん!」いえいえ、吸わないわけではありません。
染色した色無地Tシャツはしっかり水を吸いますし、洗っただけの染め無し生成も最初は少し水をはじきやすいですが、お使いいただくうちに臘分が抜けていって吸水するようになります。 もちろん湿気はこのままでも抜群に通しますので着ていてムレることはありません。
tezomeyaTシャツ、どんどん使い倒して頂きお客様が育ててあげて頂ければ幸いです。
5.斜行がわからないように脇剥ぎ無しです
なにもされていない天竺生地は、残念ながら必ず斜めにゆがみます。これは糸の性質と編み組織の関係でどうしても避けて通れません。
この「ゆがみ」を抑えるために一般的なニット生地はソーピング、加工、ヒートセットなどをして生地の動きをとめます。すなわち、簡単に申しますと、固めてしまいます。私たちのtezomeyaTシャツはもちろんそのあたりの加工も全くされていない素材なので、ゆがむけどその分風合が素晴らしい、そういう作り方です。
でも脇剥ぎが前に出てきてしまうのが気になる、というご意見もおありかと思います。その対策の為も含めて生地をチューブのまま縫製しています【ベビー、キッズサイズは脇剥ぎがあります)。
Tシャツのサイズ毎にカネキチ工業さんで生地を編んで頂き、筒状の吊天竺をそのまま身頃に使って縫製します。すなわち、裾とネックとアームホールだけ切って袖やネック部をつけて裾・袖始末をしてTシャツにします。
脇の裏に縫い目がないので肌あたりもやさしく仕上がっていると思います。
6.細部も古き良き時代のビンテージTシャツ仕様でやさしい仕上がり
・ネックは友生地の両面飾り縫製で手ハサミカット仕上げ
ネックはゴムリブではなくて身生地ど同素材を使い、両面飾りという縫製要領で付けます。
このくちゅっとした感じがtezomeyaTシャツの独特の雰囲気を醸していると思います。もちろん伸び止めの芯材が中に入ってます。ちなみに、ミシンで縫い付けた後に最後で余った生地部分を1枚1枚手ハサミでカットワークしてるんですよ、このネック。手間かかってます。
・裾、袖口の始末は全て「天地縫い(裾引き)」
本当に細かいところですが、tezomeyaのTシャツの裾や袖口は、全て「天地縫い」、別名裾(すそ)引きという要領で縫製します。
今のTシャツは通常「平二本」という始末(縫糸が2本見えてる)ですが、平二本より天地縫いのほうが生地の伸びと一緒に縫い目が伸びてくれる縫製仕様です。また、使ううちに少しヨレッとしてきてくたっとしかわいくなるのも天地縫いの特徴です。
よく言われることですが、服の印象ってこういう細部の顔がポイントだと思います。
平二本はカチッと仕上がりますが、どうもかたい感じがしてtezomeyaとしてはあまり好みではありません。。あくまで個人的嗜好ですが。