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紅花で笹紅色の口紅作りワークショップ
伝統色のワークショップ『笹紅色の口紅作り』
日 時 | 2018年1月27日(土) 13時スタート ~17時終了予定 |
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場 所 | tezomeya工房内 アクセスはこちら |
費 用 | 7,000円(税別) ※全ての材料費を含みます。 |
定 員 | ★染色: 先着8名様 定員締切 |
お申込 | お問合せフォーム ※項目から「tezomeyaのイベント教室」をお選びください |
ご用意 |
今回はお持ち頂くものは一切ありません。全てこちらでご用意いたします。 |
本イベントは定員に達したため募集を締め切りましたm(__)m
毎年恒例になりつつある、山形の紅花から口紅を作るワークショップ、ご多分に漏れず本年も開催いたします。
ご存知の方も多いかと思いますが、天然染料として昔から使われている紅花は、なにも生地や糸を染めるためだけのものではありませんでした。紅花の赤い色素は、女性の口紅や頬紅の原料にも使われていたんです。どちらかというと、当時は染色よりも紅を作るための使用量の方が多かったようです。
時代劇を観ていると、女性がお猪口や2枚貝の裏側にちょちょっと小指や筆をつけて唇に紅を引くシーンとかありませんか?そうそう、あれです。あれが紅花から作られている口紅です。紅花から作られて、くちびるに塗るから“口紅”と言われるようになったのかもしれませんね。この、紅花からちゃんと作った口紅の事を「本紅(ほんべに)」とも言うそうです。
紅花はとても特殊な染色方法で生地を染めます。酸とアルカリを駆使する染め方法なのですが、実は口紅を作る手法もその染色方法の延長上にあります。もちろん古代の人も江戸時代の職人もそんな酸やアルカリや中和の知識などはありません。でも、理論などは全く関係なく、長い伝承の間に洗練されていった極めて合理的な手法で、灰汁や梅酢、そしてゾクと言われる麻のワタを使って口紅を作っていました。
そして、昔からの伝統的な作り方を今も守りながら紅花から口紅を作ってらっしゃるところがいくつかございます。
例えば、その代表格が伊勢半さん。江戸時代から180年も続いている紅屋さんでして現在も化粧品メーカーとして活躍されています。伊勢半さんは180年続く伝統の秘法で紅を作ってらっしゃいます。おそらく、やはり昔ながらの灰汁と梅酢とゾク(麻のわた状のもの)を使用しておられるのでしょう。そして原料には、山形の紅餅を使ってらっしゃいます。
この紅、赤ではなく緑色、玉虫色に見えるんですよ。この色を“笹紅(ささべに)”と言います。紅を厚く塗ると不思議なことにこのような黄緑になるのです。そして、この紅は山形の紅餅(紅花から作られる染料)を使ってるから、しっかりと玉虫色に輝く分量がとれるのです。
毎年夏の終わりに山形から国産の紅餅がtezomeyaにも届きます。現在の国産紅花の流通量はほぼ100kg前後。昨夏もその中から1kgだけ分けて頂きました。
そして、昨夏の紅餅を使って、皆さんと一緒に紅を作ってみよう!というのがこのワークショップです。tezomeyaには伊勢半さんのような伝統技法がないので、昔の文献や伊勢半さんのショールームにある貴重な資料を拝見して、昔の紅の制作手法を自分なりに考えました。灰汁の代わりに主成分である炭酸カリウムのアルカリ水を、梅酢の代わりにやはり主成分であるクエン酸を使います。ゾクの代用には脱脂綿を使います。でも、原料はウチも山形の紅餅を使います!原料だけは伊勢半さんと同じです。山形の紅餅はもったいないので、テストで中国産の紅花を使い試しに作ってみたのがこちら。
すこし黄緑がかってます。紅餅で作ればもっとちゃんと笹紅になってくれるはず!
また、紅の作り方にちなんで今回も紅花の歴史のお話、また、酸とアルカリの話なんかも少しずつ取り混ぜたいと思います。山形の紅餅を使うためいつもより少々高めのお値段になってしまってます。でも、実際に作ってみると、やはり山形の紅花でないとしっかり作れないんですよ。。どうせ作るならしっかりちゃんと笹紅色につくりたいですよね、ね。
いつもの通り先着順です。今回は8名様。
是非是非お気軽にお申し込みくださいませ!
寒中お見舞い申し上げます。笹紅作りちゃんと一人でも出来るようになるまで、何度でも参加したかったのですが、今回は先約がはいってしまい残念です。酸、アルカリの反応を紅花で行うのは最も高価で劇的な実験かもしれませんね。皆さんが持ち帰る際、液が流れてしまわないように、ご配慮ください。しっかり乾燥まで行えて玉虫色が確認できるといいですね。
北崎さま
いつもありがとうございます!
今回はご参加いただけずすみませんでした。
このワークショップは毎年行うつもりですので、また次回の秋に是非ご参加くださいませ。
今回はなんとか1日で全て終われるよう頑張ります!
こんにちは。
紅の作り方を参考にさせていただいております。
私も紅も作ってみようと考えていますが、とても高価なので最初は中国産の紅餅を使ってテストをしたいです。
ですが、いくら探しても中国産の紅餅を販売しているところが見当たりません。
もし良ければ中国産の紅餅を販売先を教えていただけないでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
こんにちは。
お問い合わせを下さりありがとうございます。
私も、中国産の紅餅の販売元は存じません。
といいますか、中国産の紅餅自体の存在を確認できたことがありません。
ちゃんとしたエビデンスは少なくとも私は持っていないのですが、紅餅はおそらく江戸時代に山形で開発された手法と私は思っています。
中国では、おそらく昔からずっと乱花を使っていたのではないか、と思います。
お返事ありがとうございます。
ちなみにクエン酸を入れた後、最後に紅をこす時は、どのように液を濃くしているのでしょうか?
クエン酸を入れると液と紅が分離できるのでしょうか?
また、個別の質問はこちらで大丈夫ですか?何度もコメントしてすみません。
アルカリ条件下で水に溶けているベニバナの色素カルタミンは、クエン酸を入れて液を酸性にすることで不溶になり沈殿します。
その沈殿物を塩瀬などの絹地で当方では濾過分離しています。