草木が生むtezomeyaの⾊
草木が生むtezomeyaの⾊
くすんだ色にある しあわせ
tezomeya は、植物たちの生きる力をいただいています。
植物が生きていくために作り出すさまざまな物質―それを、色素としていただいて染めています。
植物が自分のために数え切れない色々な物質を作っているからいろんな色素も作られて、それがたくさん混ざりあって、そうして染め上がる色はとてもフクザツな色になります。
小さい頃、クレヨンで夕日を描こうとしていろんな色を重ねるうちに、どんどんフクザツでよくわからない色になったように。
だから、私たちの染色はヴィヴィッドな原色には染まりません。
植物を2つ3つ使ったり、煮出す量を変えたり、染める温度を工夫したりして生まれた色を
私たちが「あ、これ いい」と思った色を並べています。
原色には染まらない植物たちの色
いつまでも身に纏えるフクザツにくすんだ やさしい色
私たちにとってちょうどここちよい しあわせな色
それが、私たち tezomeya の色です。
tezomeyaの色
黄蘗色(きはだいろ)
赤のイメージが強い柘榴(ざくろ)の実の皮を煮出して染める色。黄蘗の幹の内皮のような、少し茶味が混ざった、温かさと同時に強さを感じる黄に仕上がります。
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灰桜色(はいざくらいろ)
椰子の実の種、檳榔子(びんろうじ)を煮出します。昔は黒の下染め用に使われましたが、tezomeyaでは媒染(ばいせん)を工夫して柔らかで優しいピンクベージュに仕上げます。
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丹色(にいろ)
丹とは黄味がかった赤土のこと。柘榴(ざくろ)でくすんだ黄に染めてから印度茜(いんどあかね)の赤を重ねて優しいオレンジに染め上げます。
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鴇色(ときいろ)
根が赤いことから“あかね”と名付けられ、古来より世界各地で赤を染める茜。印度茜(いんどあかね)を使いトキの風切羽のようなすうっと目に入り込む赤に仕上げます。
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蒲萄色(えびぞめいろ)
ヤマブドウの古名「えびかずら」の果実を模した蒲萄色は古代の流行色。五倍子(ごばいし)と印度茜(いんどあかね)を染め重ねて、適度にくすんだ赤みの紫に仕上げます。
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藤鼠色(ふじねずいろ)
五倍子(ごばいし)を使う藤鼠は 江戸時代に流行った四十八茶百鼠のひとつで、実はお歯黒の染め方と同じ。シックで使いやすいくすんだ藤色に仕上げます。
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鈍色(にびいろ)
“鈍”とは古来のグレーの総称で喪を表す色。暗くなり過ぎないよう工夫しながら矢車附子(やしゃぶし)の実で染めるtezomeyaの鈍色は四季を問わず楽しめるグレーです。
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老竹色(おいたけいろ)
柘榴(ざくろ)の黄に、媒染(ばいせん)で少しのくすみを足し入れる加減が難しい染め色。“若竹”ではなく、“老竹”の渋みがにじみ出る彩りに仕上げます。
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海松色(みるいろ)
海藻の海松を模した深いカーキグリーン。楊梅(やまもも)の黄色を媒染でしっかりくすませます。柘榴の黄色を使っても出てこないこの深い緑味は、楊梅だからこその色。
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縹色(はなだいろ)
“縹”とは「藍で染めた色」という意味。水縹、薄縹、中縹、深縹・・。古来から様々な濃さの藍染めがあります。印度藍(いんどあい)を使い少し濃いめの縹に仕上げます。
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鉄紺色
(てつこんいろ)
幕末に我が国にもたらされた南米の木ログウッド。昭和の時代まで黒染めに使われたこの染料と藍を掛け合わせて深く濃い紺色に仕上げます。
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憲法黒色
(けんぼうくろいろ)
江戸時代の有名な京の剣客、吉岡憲法が考案した黒染め法をそのまま拝借。藍で濃い縹を入れた上に楊梅(やまもも)と鉄媒染で染め重ねて、少し緑を感じる黒褐色に仕上げます。
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草木の色との
上手なお付き合いのために
- 優しい洗剤で洗ってあげて
- 草木の色を長く楽しんで頂くために、天然の石けん洗剤やウール用の中性洗剤など洗浄力の優しい洗剤をお選び下さい。ボディソープでもOKです。重曹やセスキ炭酸ソーダも優しい洗剤ですが、アルカリが強いと変色しやすいので分量にはご注意を。
- ひとくちメモ
中性洗剤はどれも石けんかすが出にくいです。草木の色の洗濯で石けんかすにお困りの時は中性洗剤がお勧めです。
- 天日干しはダメ
- 草木の色は光に弱く、黄ばみ・色あせが起こります。明るい場所は避け、陰干しで乾かして下さい。
- ひとくちメモ
縮みにくい生地であれば乾燥機はOKです。ただ紅花や紫根(しこん)のように高温に弱い染め色ものあるのでご注意を。
- レモン汁や鉄の金具にもご注意を
- 草木の色は酸性の液が付くと色が抜けることがあります。お酢、レモン汁、果物の汁が衣類に飛ばないようご注意下さい。また、鉄や銅など金属と反応して色が暗くなることがあります。ステンレス製ではない金具部分が長い時間触れないようにご注意ください。
- 色移りは暗くて濃い色だけご注意を
- 草木の色は、暗い色や濃い色でなければ洗濯や擦れで他の素材に移ることはあまりありません。藍染めなどの暗くて濃い色の色移りにはご注意頂き、濃くなければ色移りよりも自身の色そのものが変わらないようお気を付け下さい。
- ひとくちメモ
藍染めの色移りも、汚れてからすぐであれば、軽く洗剤を付けて揉み洗いで落とせます。
草木の色をいつまでも楽しめる
お手伝いをしています
tezomeyaで染める草木の色は、皆さまのお手元に渡ってからお洗濯で薄くなったり、日々のご着用で茶味が増したり、少しずつ変わって行きます。ご不安なこと、わからないことがあればいつでもお問い合わせください。全て必ずお答え致します。
そして、お気に入りでない色になってしまったらどうぞtezomeyaの「無料染め重ねサービス」をご利用ください。褪せてしまった色の上に新しく染め重ねることで、思いもよらない楽しい色目を再びお楽しみ頂けます。いつでもご自由に“染めのおかわり”をどうぞ。フクザツでやさしい草木の色を皆さまがいつまでもお楽しみ頂けるよう、tezomeya が末永くお手伝い致します。
参考・引用文献
tezomeyaが様々な場面で調査・研究・参考引用している資料データです。
星印はあくまで店主の個人的な頼り度合いです。ご参考までにどうぞ。
書名 | 著者 | |
---|---|---|
★★★★ | 日本古代の色彩と染 | 前田雨城 |
★★★★ | 色 ~染と色彩 | 前田雨城 |
★★★★ | 染料植物譜 | 後藤捷一、山川 隆平 |
★★★★ | 草木染 染料植物図鑑(続、続々も有り) | 山崎青樹 |
★★★★ | Natural Dyes | Dominique Cardon |
★★★ | 日本の色辞典 | 吉岡幸雄 |
★★★ | 日本の傳統色 | 長崎盛輝 |
★★★ | 草木染 日本色名事典 | 山崎青樹 |
★★★ | 昭和版 延喜染鑑 | 上村六郎 |
★★★ | 別冊太陽 日本の自然布 | 平凡社 |
★★★ | 自然の色と染め | 木村光雄 |
★★★ | ワイルドカラー | ジェニー・ディーン(箕輪直子訳監修) |
★★★ | 工芸のための染料の科学 | 青柳太陽 |
★★★ | 季刊 染織と生活 全31刊 | 染織と生活社 |
★★★ | 神農本草経解説 | 森由雄 |
★★ | 染料植物及染色篇 | 白井光太郎 |
★★ | 日本の藍 | 吉岡幸雄 |
★★ | 図説 繊維の形態 | 繊維学会 編 |
★★ | 宮内庁蔵版正倉院宝物 染織 上下巻 | 宮内庁 編 |
★★ | 自然の色を染める | 池谷昭三 |
★★ | 正倉院薬物の世界 | 鳥越泰義 |
★★ | 完璧な赤 | エイミー・B・グリーンフィールド |
★★ | 古代染色二千年の謎とその秘訣 | 山崎青樹 |
★★ | 日本の黒染文化史 | 川村康夫 |
★★ | はじめての綿づくり | 大野泰雄、広田益久 |
★★ | 木綿以前の事 | 柳田國男 |
★★ | 自然の色を染める | 吉岡幸雄、福田伝士 |
★★ | 日本草木染譜 | 山崎斌 |
★★ | 色彩ワンポイント1 色の見えるしくみ | 日本色彩研究所 編 |
★★ | 天半藍色 ~三木300年の歩み | 三木産業株式会社 |
★★ | 自然を染める 植物染色の基礎と応用 | 木村光雄 |
★★ | 王朝のかさね色辞典 | 吉岡幸雄 |
★★ | 楽しい絞り染め(Ⅱも有り) | 出原修子 |
★★ | かさねの色目 | 長崎盛輝 |
★★ | 正倉院御物伎楽装束の復元的研究 | 町野とく |
★★ | 譜説 かさねの色目配彩考 全三巻 | 長崎盛輝 |
★★ | ビジュアルワイド 江戸時代館 | 小学館 |
★★ | Natural Colorants for Dyeing and Lake Pigments | Jo Kirby 他 |
★ | 紅花 | 竹内淳子 |
★ | 一色一生 | 志村ふくみ |
★ | せんいの科学 | 山崎義一、佐藤哲也 |
★ | 草木染め大全 | 箕輪直子 |
★ | 染色の基礎知識 | 高橋誠一郎 |
★ | 日本の伝統色 ~色の小辞典 | 福田邦夫 他 |
★ | 紫(むらさき) | 竹内淳子 |
★ | 植物染色 | エセル・メレ(寺村祐子訳) |
★ | 色の名前 | 近江源太郎 |
他、多数・・・