tezomeya ブログ
消毒用アルコールで染めてみよう!
手染メ屋の公開実験教室2009 その6
消毒用アルコールで染めてみよう!
実験教室第6回は、色の出にくい染料をアルコールを使って染めてみます。
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本イベントは終了いたしました
さて、今年最後の公開実験教室。第6回はアルコールを使った染色の実験です!
収穫したてのナマの植物や乾燥して保存してあった乾物の植物を、水に入れて煮出して、その植物のだし汁で染める—-、
これが通常の天然染料を使った染色ですよね。紅花のように、灰汁(アルカリ水)で色を出したり、藍のように還元菌の力を借りて発酵によって染め液を作ったり、植物によっては特殊な染め方で行うものもありますが、煮込むことで植物から色素を抽出する、というのが草木染めの常套手段です。
ですが、この煮出しの抽出、植物によってはなかなか色が出にくいものがあります。煮出しても色が薄いので、植物の量をたくさん増やさないと濃い色に染まらない・・・。ま、植物の種類によって水に出やすい、出にくいがあるからしょうがないな。 なんて、あきらめて大量の染料を使うことで何とかしのいでることもしばしば。これ、僕たちでもよくあることなんです。
植物によって水に出やすいものと出にくいものがなぜあるのか?
これにはいろんな原因があるのですが、その中でとても大きい要因は
・植物の色素に水に溶けにくいものがあるから
なんですよね。
「なんだよ、そんなのあたりまえのことじゃん!」
はい。そうです。何を今更声高に、って感じなのですが、ここで一つ重要なことがあります。
「水に溶けにくい」ということは、「アブラに溶けやすい」ということと同じであることが多くあります。いっつもではないですよ。でも、 植物の中に入ってる有機物に関していうと、
水に溶けにくい=アブラに溶けやすい
という公式はかなりの確率で成り立つ場合が多いんです。
アルコールって、実はすごいやつなんですよ。
なんと、水にもアブラにも溶けてくれるんです!
今回は、この水でなかなか溶け出しにくい染料を、消毒用アルコールを使って色を抽出してどのくらい濃く染めることが出来るのか、ということをやってみたいと思います。
アルコールというと、なんかすごくケミカルな感じがしますよね。
ま、合成されて作られていますので当然ケミカルなものなのですが、今の消毒用アルコールの成分「エタノール」は、皆さんが普段からご愛飲されている酒類のアルコールと同じ成分。しかも、今回使う消毒用アルコールは、メディカル現場だけでなく食品加工にも使われている基準のものを使用しますので、安全なシロモノです。香りで酔っ払うかもしれませんが(笑)。
染料は、紫根や茜、クチナシなど、実は水には溶けにくい染料を使って、アルコール染めでどの程度差が出てくるかを試してみたいと思います。
また、このアルコール染めに合わせて、私たちの身近なもので水に溶けるもの・油に溶けるもののいろんな話も出来ればと思います。もしかしたらお料理に役立つことがあるかもしれませんよ(ないか・・・)!
いつもの通り先着順です。今回は7名様。 是非是非お気軽にお申し込みくださいませ!